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慢性炎症:ニキビから糖尿病まであらゆる症状に共通する炎症の原因とメカニズムとは

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こんにちは!ヘルスコーチのYUMI (@yumiid/@you_me314)です。

あなたは、炎症と聞いて何を思い浮かべますか?

転んでケガをしたときのじくじくした膿?風邪の時に腫れてしまった喉?骨折して赤く腫れあがった患部?

とにかく、赤くて、熱を持っていて、痛くて、腫れているイメージですよね。

その「炎症」が傷口や喉など目に見えて、感じられるところだけではなく、内臓や骨や脳で起こっているとしたら?

ご存知の方も多いかもしれませんが、「炎症」は世界の医療界・健康業界では酸化や糖化にならぶバズワード。日本でも、雑誌「Tarzan」で2017年に「酸化・糖化・炎症」というテーマで取り上げられていました。

でも、傷のように目に見えるものだったら分かりやすいけれど、体内で炎症が起きていると言われても何となくピンとこないですよね。

実は、私たちが経験するちょっとした不調から、糖尿病や癌、心臓病など大病の原因にもなっているといわれて言われている「炎症」。

例えば、
・疲れやすさ
・痩せにくさ
・頭痛
・治りにくい筋肉痛
・口内炎
・ニキビ
・アレルギー
などのお悩みや不調から、

・糖尿病
・アルツハイマー病
・心疾患
・自己免疫疾患
・甲状腺機能不全
・ぜんそく
・関節炎
などの大きな疾患などの根本原因であることも言われています。

炎症が慢性化すると、それが大きな病気につながってしまうのです。ということで今回は、慢性炎症についての教養をつけていきましょう!

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慢性炎症とは?どんな原因と症状があるの?

炎症のメカニズムとは

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炎症とは、細胞が傷つけられたり刺激を受けた時に起こる免疫反応をいいます。

細胞がダメージを受けると、私たちの免疫システムは、毛細血管を肥大させたり、白血球を集めたり、赤く腫れ上がったりして、その細胞を修復しようと頑張ります。

なので、炎症が起こっている状態では、通常の細胞機能が働かなくなっています。

炎症は、傷、感染、ウイルスの侵入、酸欠、被ばく、化学物質、トラウマ、熱などのダメージで起こりますが、体の中での免疫反応は全て一緒です。免疫システムは、赤く腫れたり、熱や痛みを出すことで、細胞を守ろうとします。

一時的な炎症は「急性炎症(acute inflammation)」と呼ばれ、ダメージを受けた細胞組織を修復させるための自然な反応です。これは時間が経つと治まるものです。問題は、何等かの原因で炎症が長期化することです。そうすると、細胞が正常に機能しなくなり、身体にとって害となります。これを「慢性炎症(chronic inflammation)」といいます。

炎症のサインがわかるサイトカインやCRP

サイトカイン-CRP-慢性炎症?ニキビから糖尿病まであらゆる症状に共通する原因とメカニズムとは-yumiid.com

体内で炎症が起こると、サイトカインという化学物質が発生します。

サイトカインにはTNF(腫瘍壊死因子)、インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、ケモカインなど色々な種類があります。サイトカインは、白血球の生成を促したり、白血球が血管壁を移動しやすくしたり、熱を出したりすることで、ウイルスなどの外敵やがん細胞をアタックします。

また、炎症が起こっている時は、血中のC反応性蛋白(CRP:C-Reactive Protein)というたんぱく質が増えます。なので、CRPの値で、体内で炎症が起こっているかどうか知ることができます。

高いCRPレベルは、心臓病、糖尿病、がん、動脈硬化につながることがわかっています。

ウイルス感染などにより免疫システム働くのは良いことですが、常にオンになっている状態が続くと、敵がいないのに自分を攻撃してしまったりします。それが、リウマチやパセドウ病、橋本病などの自己免疫疾患ともつながっているとされています。

何が炎症を起こすの?

ケガやウイルス感染などで、炎症が起こるのは正常なことですが、実は私たち現代人の日常生活の中に、細胞に炎症を起こすものが山ほどあります。それが、日々経験する不調から、慢性病の原因にまでもなっていきます。

一体どんなものが原因で炎症を起こすのでしょうか?

1.食事

炎症の大きな原因の一つが、現代人の食生活。以下が炎症を起こす食べ物の一例です。

過剰な単糖類…ブドウ糖、果糖、乳糖 ⇒白砂糖や精製された小麦粉の摂りすぎは、インスリンを過剰分泌させ、CRPを増やすとされています。トランス脂肪酸…マーガリンやショートニングなど酸化した油…調理して時間の経った油など過剰なオメガ6油農薬の使われた野菜食品添加物遅延性アレルギー…グルテン、乳糖、ソイなど

2.腸内環境の悪化

腸内で善玉菌よりも悪玉菌が増えすぎている状態は、炎症を引き起こします。また、リーキーガット症候群といって、腸壁に小さな穴が開いてしまい、腸壁を通過すべきない物質が腸壁をすり抜けて血流に乗り、体中をめぐってしまう状態があります。これも炎症の引き金となります。

3.ストレス

心理的なストレスは、炎症を起こすサイトカインのネットワークを刺激することが研究で分かっています。食事や運動などのライフスタイルが完璧でも、心理的なストレスがあると不調が抜けないのは、ストレスによって引き起こされた炎症が原因の一つです。

4.運動不足

運動不足と炎症を関連付けた研究は数え切れないほどたくさんあります。一日を通して座っていることが多い生活をしていると、炎症に関連するサイトカインやCRPが増えることがわかっています。

一方で、ちょっとした散歩などの楽な運動でも、炎症を減らすことができます。

5.睡眠不足

慢性的な睡眠不足は、炎症のサインであるサイトカインやCRPを増やしてしまいます。

6.肥満

炎症を起こす食事、腸内環境の悪化、運動不足、ストレス、睡眠不足の結果として起こる肥満は、さらに炎症を引き起こします。

肥満体の人には、炎症に関連するサイトカインの値が高いことがいくつもの研究で示されています。脂肪細胞はレプチンというホルモンをつくりだしますが、これには炎症を誘発する作用があります。同じく、肥満の人には血中にエストロゲン(女性ホルモンの一種)が多く、これも増えすぎると炎症につながります。

ライフスタイルが原因で肥満になり、肥満がさらに炎症を起こし、さらに痩せにくくなる・・・という悪循環が起こってしまうんですね。

7.汚染

大気汚染や土壌汚染も炎症につながります。長年健康的な生活をしてきたかのように見える人が、いきなり大病にかかってしまうケースがありますよね。それは環境汚染などが原因である場合がしばしばあります。それだけではなく、農薬や殺虫剤、日用品に含まれる環境ホルモンなども汚染の一種です。

環境汚染は不可抗力なので、その地域を離れるしか対処法はありませんが、農薬や環境ホルモンなど、私たちが食べているものや使うものの汚染は、自分たちの選択である程度避けることができます。

炎症があるかどうか自分で分かるの?

心臓病や糖尿病などの分かりやすい病気があれば、慢性炎症が起こっていることは明らかですが、そうでない場合はいったいどうしたら分かるの?といった感じですよね。

正確なことはもちろん血液テストをしてみないと分からないですが、こんな症状がある場合は炎症を疑ってみてくださいもいいかもしれません。

炎症のサイン(一例)・お腹周りの肉が取れない・空腹時の血糖値が高い、または低血糖になる・膨満感、下痢、便秘、ガスっぽさが常にある・いつもなんか疲れている・吹出物、ニキビ、かゆみなどのお肌のトラブルがある・慢性アレルギーがある・顔がむくんでいる・歯周病がある・頭がぼーっとしたり、鬱っぽさ、不安感がある・ED(勃起不全)がある

何か一つでも思い当たるという方が多いかもしれません。慢性炎症は、あらゆる不調、あらゆる病気の原因になっているといっても過言ではないのです。

炎症を減らすにはどうしたらいいの?

現代人の生活の中には、炎症を引き起こすものが多すぎるので、全てを完璧に排除するのは難しいと思います。それでも、口に入れるものや行動を変えることで、ちょっとした不調なら薬に頼らずとも、自分で治すことができます。

1.炎症を起こす食べ物を減らし、抗炎症作用のあるものを摂る

白砂糖や白い小麦粉などの精製された糖質はインスリンを跳ね上げ、炎症を促進するので、控えめに。摂るときは、野菜や肉の後に食べるようにしましょう。そうすることで、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を抑えることができます。

特定の食物への遅延性アレルギーも炎症を引き起こします。小麦、乳製品、大豆などはよくある遅延性アレルゲンです。市販の検査でセルフチェックもできるので、検討しても良いかもしれません。

また、炎症を促進するトランス脂肪酸、酸化した油をできるだけ避けましょう。

抗炎症作用(炎症を抑える作用)がある食べ物は、魚や卵に含まれるオメガ3(DHA、EPA)、ビタミンやミネラル、フィトケミカルの豊富な野菜、果物、ナッツ、タネ類などです。果物に含まれる果糖も過剰摂取すると炎症につながるので、ほどほどに。

添加物が大量に含まれる加工品やファストフードを減らし、もともと生えている&育てられたままの姿をしている野菜や肉(ホールフーズといいます)を選んで食べるのが確実です。

2.運動する

会社と家の往復だけで、仕事中は座ってばかりという生活は、炎症を促進してしまいます。昼休みに少しお散歩したり、ストレッチをするだけでも違いますので、一日を通して動きを増やすようにしましょう。

3.農薬や環境ホルモンを避ける

野菜はできる限り無農薬か低農薬のものを選ぶようにしましょう。全て無農薬にするとお財布が痛むかもしれません(笑)。ですので、こちらのリストをお買い物の参考にしてみてください。また、新鮮で低農薬の野菜を届けてくれる宅配サービスを活用するのも手です。

環境ホルモンに関しては、普段使っているシャンプーや洗剤、化粧品にパラベン、パラフィン、フチル酸エステルなどの化学品が含まれていないか確認してみてください。それが含まれていなくても、原料が何十種類以上にもなるような製品は、環境ホルモンを疑った方が良いでしょう。皮膚に付着したものは、皮膚がやがて吸収し、血流に乗ってしまいますから。私は長年、基礎化粧品の代わりにこれを使っています。

殺虫剤を使う時は、皮膚に付着しないように気を付けます。

4.日光浴またはビタミンDの補給

ビタミンDは炎症作用を緩和してくれます。晴れた日は少し日光浴をしたり、ビタミンDのサプリを取り入れることを検討してみてください。私はこれを使っています。

5.睡眠

睡眠が体にとってプラスになることは説明するまでもありませんね。睡眠のメリットや質の良い睡眠の取り方については、下記の記事を参考にしてみてください。

睡眠のメリット夜ぐっすり眠るためにできる10のこと

6.ストレスを発散する

自分の好きなことに没頭する時間を作ってみる、ヨガやメディテーション、森林浴、大切な人や大好きな友達と時間を過ごす、などなど。ストレスの原因となるものから、離れる時間を意識的に作ってみるといいかもしれません。

このように、慢性炎症は何か一つだけではなくて、複合的な問題によって起こっている可能性が高いので、ライフスタイル全体を見直していく必要があります。

楽ではないことかもしれませんが、もし炎症と、今経験しているお悩みが結び付くところがあるのであれば、できることから改善してみてください。

では、抗炎症なライフスタイルを取り入れて、もっともっと健康に!

<参考文献>Duke Johnson (2009). Optimal Health RevolutionKelley GL, et al. High dietary fructose induces a hepatic stress response resulting in cholesterol and lipid dysregulation.EurekAlert. New study links protein in wheat to the inflammation of chronic health conditionsDepartment of Psychology, University of Western Ontario. Cytokine production and lymphocyte transformation during stressParsons TJ, et al. Physical Activity, Sedentary Behavior, and Inflammatory and Hemostatic Markers in Men.Janet M, et al. Sleep Loss and InflammationInstitute of Food Science, Technology and Nutrition of the Spanish National Research Council. Obesity, inflammation and the immune system.Chris Kresser. Is Depression a Disease—or a Symptom of Inflammation?Dr. Datis Kharrazian. Vitamin D is a powerful tool in taming autoimmunity and inflammation

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