こんにちは!妊娠中&産後専門フィットネストレーナーのYUMIです。
よく妊娠中の筋トレについては尋ねられますが、妊娠中よりも注意が必要なのは実は授乳中の筋トレだったりします。
胎児は妊娠中の9ヶ月で約3キロに成長しますが、生まれた赤ちゃんは生後2~3ヶ月でなんとその2倍の体重になるんですよね。母乳で育てるのであれば、栄養は全てママの体からきます。授乳期というのは、妊娠後期2と言っていいほど、体にとって注意が必要な時期なんですね。
この記事では、授乳中のママが筋トレをするときに気を付けてほしいことを、専門家としての観点から、そして授乳を終えたママとしての経験を交えてお伝えしていきたいと思います。
授乳期の筋トレが妊娠前と違ったこと
まずは私自身の経験からお話ししていきますね。
私は産後1か月半くらいまでは、妊娠中&産後の方向けプログラムでお教えしているようなリハビリエクササイズをしていました。それ以降は徐々に筋トレを強化していき、娘を授乳していた1年間はずっと筋トレを続けていました。
授乳中に筋トレをしていていちばんキツかったのが、筋肉痛の治りが遅いということ!!
妊娠前に比べてもそうですが、妊娠中よりも治りが遅かったです。リハビリエクササイズを経て、筋トレの強度を徐々に上げて行ってからも、産後6か月くらいまでは妊娠中とあまり変わらない強度で鍛えていました。ほぼ自重トレで。
ですが、そんなにプッシュしていないつもりでも、筋肉痛から派生して風邪を引いてしまうこともありました(筋肉痛は炎症ですから)😅
授乳中は夜通し眠れないことも多いし、たんぱく質や水分やその他の栄養素も母乳として持っていかれてしまうので、筋肉痛の治りが遅いのは当たり前といっちゃ当たり前ですが。授乳を終えてみて、筋肉痛の治りがすごく早くなったことに感動を覚えました。
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授乳中に筋トレするママが気を付けること
ここからご紹介する内容は、筋トレする方ならどなたでも気を付けた方が良い基本的なポイントです。
ですが、授乳中は妊娠中と同じ「赤ちゃんの栄養供給マシン」であることを忘れないでほしいのです。それと同時に、産後はまだ妊娠・出産という体にとって過酷な状態から回復中であるということ。
つまり、体は妊娠中と同じように赤ちゃんの体を作りつつ、自分の体を回復させているのです。
自分の体がそういう状態にあって、さらに筋トレによって筋肉を作ろうとしている。授乳中に筋トレをするということは、そういうことなのです。
だからといって筋トレをしてはいけない!とは全く思わないですし、産後の筋トレはママの身体的・精神的回復にとってなくてはならないものだと、私は思っています。
ですが、栄養面と鍛え方の程度を調整していく必要があります。
1.たんぱく質をしっかりとる
筋肉の合成にはたんぱく質が必要です。ですが、授乳をしていると母乳を作るのにもたんぱく質が必要になっていきます。ですので、授乳をしていないときよりも多く摂る必要があります。
厚生労働省によると、授乳期は1日70gのたんぱく質摂取を推奨しています(1)。
もちろん体格差によって調整が必要ですが、まずはこれだけの量が摂れているか、気をつけてみましょう。
毎食20g程度と、おやつ1食分に10gのたんぱく質。
まずはこれを目指してみてください。
たんぱく質は肉や魚だけではなく、豆やナッツ、野菜や穀物にも含まれています。ですが、炭水化物中心の食事になると不足しやすいので、要注意です。
2.水分をしっかりとる
最初のうちは赤ちゃんの飲む量は1日500ccにも満たないかもしれませんが、胃袋が大きくなってくると1回の授乳量は200ccくらいになってきます。それを1日何度も与えるわけですから、余分に水分を摂る必要がでてきます。
授乳中は1日2~3L程度を目指してみましょう。汗をかきやすい真夏と、乾燥しやすい真冬は特に意識して。汗をかくような筋トレをした日も、水分補給をお忘れなく。
かといって真水をごくごく飲む必要はありません。1日2~3Lと書きましたが、野菜やスープなどに入っている水分も含みます。
レモン水や、果物やハーブを入れたデトックスウォーターなら、カリウムも摂れて浮腫み予防にも。ハーブティーやノンカフェインの飲み物など、飽きないようにお気に入りの水分補給法を探してみてくださいね!
3.寝不足の日は無理しないで
赤ちゃんがまだ夜通し寝てくれない間は、夜中に何度も起きて対応しなければなりませんね。
筋肉は寝ている間に修復しますので、夜中に何度も起きているということは、筋肉が修復する時間が短くなるということ。
何度も起こされて深い眠りに入れなければ、筋肉の合成を手伝ってくれる「成長ホルモン」も十分に分泌されません。
これが、授乳期に筋肉痛が治りにくい原因のひとつでもあります。
では赤ちゃんが夜通し寝るようになるまで筋トレをやめたほうがいい?な~んてことはありません。
寝不足の日でも、少し動くことで気分がすっきりすることもありますよね。運動はストレス発散にもなります。
ですので、寝不足の時は、回数やウェイトをガンガン増やしていくような筋トレは控えるようにしましょう。
前の晩に3回も4回も起こされた日や、睡眠時間トータル1時間の日などは、筋トレはお休みして自分に優しくしてあげましょうね。
どうしても動きたければ、ヨガや低負荷の筋トレ(余裕で20回以上できそうな負荷のもの)をおこなってみてもいいかもしれません。
4.筋トレ後はマッサージ
筋肉痛にはストレッチがいいと考えている方も多いようですが、実はあまり効果がないといわれています。
筋肉痛には、筋膜リリースやマッサージの方が効き目があることが、研究で明らかになっています。
詳しくはこちらの記事に。
ですが、触るのも痛いような筋肉痛がきてしまった後は、筋膜リリースもマッサージもできなくなってしまいます。
なので、筋トレが終わったらすぐ、またはその日の夜のうちにしておくのがポイントです。痛くなりそうなところを30秒~1分程度マッサージしてみてはいかがでしょうか?
30秒~1分なんて、テレビやスマホをみていればすぐ過ぎる時間です。テレビを見ながら、授乳をしながら(ハンズフリーでできれば笑)、ちょっとモミモミしてあげてみてください。
5.体の声をよく聴いて!
特に頑張り屋のママさん(や運動部出身のママさん笑)は、疲れている時でも精神論が働いてしまって、ここで頑張らない自分は弱い!こんなんじゃ痩せないぞ!と、頑張りすぎてしまうことがあるかもしれません(私もこのタイプなんです…)。
ですが、自分の体の声をよく聴いて、素直に従ってあげましょう。
繰り返しになりますが、授乳期というのは妊娠後期2です。ママの体は赤ちゃんの栄養供給を優先しますので、ママ自身の体の修復などは後回しにされます。
・疲労感
・倦怠感
・喉の痛み
・頭痛
・何日も続く筋肉痛
といった体の症状だけではなく、
・不安感
・ネガティブ思考
・鬱々とした気分
といった精神面での症状も、体に栄養や休息が不足しているサインです。
こういった状態の時は、休んでもかまいません。
トレーニングは、待てますから。休息もトレーニングのうちですよ!
まとめ
産後の体を一刻も早く戻したい!変えたい!と思う気持ちも分かります。
しかし、授乳期は妊娠後期2ですから、妊娠中と同じかそれ以上に栄養をたっぷり摂り、休めるときに休みましょう。眠れる時に1分でも長く寝ましょう。
ママが健康でこそ、赤ちゃんや他の家族をきちんとケアすることができます。自分のボディに、優しい気持ちで接してあげましょうね。
そもそもの話、産後に運動を全くしていないという人や、尿漏れ、腰痛、骨盤まわりの痛み、腹直筋離開などがなくならないという人には、私の妊娠中&産後プログラムをのぞいてみてください。
産後は、1日10分以下の隙間時間でできるリハビリ運動を、週4日目指して動いていきます。その後、無理のない程度で強度を上げていくエクササイズメニューが用意されています。
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