妊娠・出産

膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後の骨盤底運動の新常識!骨盤底呼吸のやり方

膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後の骨盤底運動の新常識!骨盤底呼吸のやり方

膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後の骨盤底運動の新常識!骨盤底呼吸のやり方

こんにちは!

産前産後フィットネストレーナーのYUMI(@yumiid/@you_me314)です。

妊娠中・産後の女性は、骨盤底筋群の機能を理解することが大切ですよ、というお話を以前の記事でしました。

妊娠・出産で骨盤底筋群にそんなに負担がかかるなら、膣閉め体操をしてトレーニングしなきゃ!
と思うかもしれません。

でもちょ~っと待った~!

その膣締め体操、とかケーゲル運動、とか呼ばれている運動、もしかしたら骨盤底筋群の機能低下につながっているかも?!

なぜなら、骨盤底筋群は「弾力」が大事なのであって、「締める」だけでは不十分なのです。

ということで、骨盤底筋群のトレーニングとして「骨盤底呼吸」をおすすめします!

膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後に良い骨盤底呼吸とは?

骨盤底筋群が妊娠・出産でどうなるのか

骨盤底筋群の位置

骨盤底とは、要するにおまたのところにある筋肉です。

この筋肉は、女性なら尿道・膣・肛門を囲む筋肉で、排尿、排便、おならなどをコントロールしています

骨盤底筋群は、内臓を載せている筋肉でもあります。
膀胱、子宮、大腸などが、このトランポリンのように弾力がある筋肉の上に載っているわけです。

妊娠中には赤ちゃんが大きくなるにつれて、子宮が重くなってきますので、だんだんこの筋肉に負担がかかってきます。
いわば妊娠中は、骨盤底筋群が常に筋トレをしているようなものです。

そして、お産の時にはここの筋肉が思いっきりストレッチされます

なので、骨盤底筋群は妊娠・出産でかなりのダメージを受けるんですね。

ちゃんと治癒させないと、尿漏れとか、骨盤臓器脱といって内臓が落ちてきてしまう症状につながることがあります

膣締め体操やケーゲル体操の問題点

骨盤底筋群の強化には、よく「膣締め体操」や「ケーゲル運動」がすすめられます。

これらは筋肉を収縮させるのには有効なんですが、妊娠中は骨盤底筋群がずっと筋トレをしている状態なので、膣締めをすると、かえって骨盤底筋群が過緊張の状態になることがあります

過緊張の何がいけないかというと、骨盤底筋群の弾力がなくなることです。
お産の時は、ここが思いっきりストレッチされる必要があります。
お産の時は、締めるより緩める機能の方が重要なのです。

産後の方で尿漏れの症状が続くという方は、緩んでいることよりも過緊張が原因ということもあります。

過緊張の骨盤底筋群を例えると・・・

風船 膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後の骨盤底運動の新常識!骨盤底呼吸のやり方

過緊張の骨盤底筋群を例えていうと、パンパンに膨らんだ水風船のようなもの。
これ以上入らない!というくらいパンパンに膨らんでいる水風船に針を指すと、すごい勢いで割れますね。

一方で、あまり水が入っていない、まだ伸びる余裕のある風船なら、針を刺してもなかなか割れません。

これと同じように、骨盤底筋群をいつも閉めすぎて過緊張状態にあると、くしゃみなどの衝撃に耐えられなくなります。だから、尿漏れにつながってしまうのです。

緩める方がちゃんと機能していれば、衝撃を受ける弾力があるので、尿漏れしにくくなります。

このように、締めるトレーニングと同じくらい、緩めるトレーニングをしてあげる必要があります

締める・緩めるをバランスよく鍛えられる「骨盤底呼吸」とは?

骨盤底呼吸のやり方 膣締め体操はもう古い?妊娠中・産後の骨盤底運動の新常識!骨盤底呼吸のやり方

ここでおすすめしたいのが、私が「骨盤底呼吸」と名付ける呼吸法です。
英語では「Core&Floor Breathing」や「Connection Breath」と言われていますが、日本語で分かりやすいように私が名付けました。

「骨盤底呼吸」は、正しく行えば骨盤底筋群の治癒を早め、尿漏れや骨盤臓器脱の予防につながります

骨盤底呼吸は、腹式呼吸をベースにした、骨盤底の筋肉の動きを意識しながらおこなう呼吸です。

腹式呼吸では、吸う息でお腹が膨らんで、吐く息でお腹が凹みますね。

骨盤底呼吸は、吸う息で横隔膜が広がるのと同時に骨盤底も緩む、吐く息で横隔膜が上がるのと同時に骨盤底も上がるのを意識します。

骨盤底の動きは、最初はわからないかもしれませんが、普段私たちが呼吸をしている時にも、膣や肛門の周りの筋肉は緩やかに動いています。

普通に腹式呼吸をしてみてください。そして(誰も見ていないところで)、膣と肛門の間あたりに指を添えてみてください。骨盤底筋群が動いているのを感じると思います。

それを少し強調させて、伸び縮みさせてみるのが、骨盤底呼吸です。

骨盤底呼吸のやり方

▼動画を見て一緒にやってみる

1.仰向けになり、ひざを曲げます。片手をお腹の上に載せましょう。
※妊婦さんは仰向けが辛い場合は、横になった状態やあぐらでも大丈夫です。
2.息を吸い込み、それと同時に、骨盤底もふんわりとリラックスさせ、ゆるめます。
3.息を吐き、お腹がへこんでいくと同時に、骨盤底を軽くしぼめます。ギューッときつく締めるのではなく、軽く持ち上げる程度です。

これを10回繰り返してみましょう。

吸う息での感覚

吸う息では骨盤底筋群がふわっと広がる感じです。

少しおしっこが漏れてしまいそうな感覚があるかもしれませんが、骨盤底筋群がリラックスしていっているということですので、漏れない程度でおこなってもらえば大丈夫です。

吐く息での感覚

吐く息では、膣閉め体操のようにぎゅーっと締めるのではなく、やさしくリフトする感じです。

イメージとしては、膣でおまめを拾う感じとか、膣でティッシュを優しく取り出すような感じです。

練習していくにつれて、意識できるようになりますので、少しずつおこなってみましょう!

骨盤底呼吸はいつからやっていいの?

骨盤底呼吸はとても緩やかなエクササイズなので、妊婦さんの場合は腹部や膣に痛みなどがなければ、いつからでも始めていただけます
産後のママさんは、会陰切開の痛みや帝王切開の痛みがなくなったことを確認してから、おこなうようにしましょう。

骨盤臓器脱のような症状が見られる際は、エクササイズを中止して、専門医にかかるようにしてください。

どれくらいの頻度でおこなえばいい?

1日10呼吸×3セットから、始めてみましょう。

慣れてきたら、仰向けだけではなく横向きや、あぐらをかいた状態、立っている状態でも練習してみましょう。

それにも慣れたら、普段の生活の中でも取り入れてみましょう。
エレベーター待ちの時やレジ待ちの時など、ちょっとした隙間時間で鍛えてみると良いです。

深い呼吸になるので、リラックス効果も期待できますよ!

こんな時にも取り入れてみよう

産後の女性は、こんな時に骨盤底筋群に負担がかかっていることがあります。
・1日中立っていた時
・赤ちゃんや子供を長時間抱っこした後
・ジャンプを伴うエクササイズをした時
・ランニングをした時
・疲れている時
・ストレスが溜まっている時

こんな1日の後に、骨盤底呼吸をおこなって、骨盤底筋群をケアしてあげましょう。

骨盤臓器脱は、産後すぐに起こるわけではなく、出産を経験する女性なら誰にでも起こりうるもの。産後1年後に、ストレスの多い時になってしまった、という女性もいます。

あからさまに何かが膣や肛門から出てきている感覚がなくても、膣の周りが重いような、沈んでいくような感覚がある場合は、骨盤底呼吸でケアしてあげると良いです。

ではでは、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね!

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