赤ちゃんが泣いてばかりで筋トレどころじゃない!そんな日もありますよね。そんな時は筋トレは諦めて、赤ちゃんを連れてウォーキングに出かけてはいかがでしょうか?
産後ダイエットといったら、汗がダラダラ出るキツイ運動をたくさんしなければならないイメージがあるかもしれません。
ですが、実はウォーキングなどの軽い運動でも十分に結果が出せるものなのです。
私は妊娠で10キロ増えましたが、7ヶ月かけて元の体重に戻しました。やったことといえば1日5~20分の筋トレとウォーキングくらいです。
7ヶ月で10キロ減が遅いか早いか捉え方は人それぞれですが、授乳をしている間は自分以外の人間に栄養を供給しているわけですから、妊娠後期2と捉えるべきです(現に英語圏では授乳期のことをforth trimester、妊娠第四期と呼びます)。
授乳で体重がするりと落ちてしまう人もいますが、その人の体質や遺伝によっては、授乳をしている間は体重を落としにくい人もいます。私も妊娠中&産後の運動スペシャリストとして、授乳期は食事制限を伴う厳しいダイエットはおすすめできません。
ということで、いつもおすすめしまくっている筋トレにプラスして、体に負担の少ないウォーキングがとてもおすすめです。私は、有酸素運動はウォーキングだけでも良いとすら思っています。こちらの記事でも触れている通り、産後のランニングにはリスクが伴いますから。
※もちろん産褥期の1か月間はウォーキングも最小限にしましょうね!
今回は、産後ママさんが今すぐ歩き出したくなるような、ウォーキングに関する研究をいくつか紹介していきます。
産後ダイエットとしてウォーキングが侮れない3つの理由
1.ウォーキングはお腹まわりの脂肪を落とすのに効果的
お腹まわりの脂肪を落とすのにもウォーキングが効果的という研究があります。
名古屋大学がおこなった研究では、毎日の歩数が7500歩以下の女性は、それ以上の女性に比べて内臓脂肪が著しく多いということがわかりました(1)。
皮下脂肪は比較的運動で落としやすいですが、内臓脂肪は食事を調整しないと減らすのは難しいものです。
お腹の肉といったら腹筋運動のイメージがありますが、実は歩くだけでも効果があるのですね。
むしろ、産後すぐの腹筋運動(クランチなど)は尿もれの原因になったり、腹直筋離開の治癒を遅らせてしまう懸念があることから、おすすめしません。
2.血糖値のコントロールにもウォーキングが効果的
血糖値の乱高下は、脂肪の蓄積はもちろん、気分のむらや様々な疾患などにもつながっていきます。
ですが、ウォーキングが血糖値のコントロールにも効果的ということがわかっています。
米ジョージ・ワシントン大学がおこなった研究では、食後に15分間歩くだけで、血糖値が安定するという結果が出ました(2)。しかも、その効果は24時間持続するとのこと。
健康的な体重を維持するためには、血糖値を急上昇させたり急降下させたりしないことが大切です。血糖値の急降下は、インスリンの大量放出を招きます。インスリンが出すぎると、脂肪をためこみやすくなります。
お昼に糖質を食べ過ぎてしまった時も、15分歩くだけで脂肪になりにくいかもしれませんね。
3.ウォーキングは産後うつの予防になる
これは直接産後ダイエットとは関係ありませんが、気分が落ち込みがちな産後にもウォーキングが効果的です。
ウォーキングは気分の改善にも良い影響があります。
オーストラリアで軽度のうつ症状がみられる1904人の女性に対しておこなった調査では、日々の活動量が多く、よく歩く女性の方がうつ症状に軽減がみられることがわかっています(3)。
また、ドイツの研究では、重度なうつ患者に毎日30分、10日間続けて歩いてもらったところ、うつ症状に軽減がみられました(4)。
産後で鬱々とした気分になることはよくあります。そんな時は、思い切って外に出てみると意外と気分がすっきりするものです。
泣き止まなかった赤ちゃんも、外では色々な物や音が刺激になって、ぴたっと泣き止むことも多いものです。
私も東京にいたときは、子供がぐずぐずしている日はよく新宿御苑に行って、ウォーキングをしていました。自然と触れ合うことも、ストレスホルモンのコルチゾールの軽減につながります。赤ちゃんを連れて外出するのは、持ち物が多かったりなどして億劫なこともありますが、思い切って外に出て日の光を浴びてみると、気分もうんと改善されるものです。
私たちはたくさん歩くように出来ている。今すぐ歩き始めよう!
スクワットの正しいテクニックは少し練習が必要ですが、ウォーキングには特別なスキルはいりません。ただ歩き出すだけです。
そもそも、私たちはたくさん歩くようにプログラミングされています。
長時間走れるようにはできていませんが、長時間歩けるようにはできています。
水道がなかった時代は人々は毎日歩いて井戸に水を汲みに行っていました。
井戸さえない時代は、長い距離を歩いて水源を探しに行かなければなりませんでした。
昔の人は、一日に何時間でも歩いていたのです。
ですが現代人はどうでしょうか?
ウイルスの懸念がある今の時期は、全く家から外に出ない日もあるという人も少なくないのでは。ですが、外に出ることで、ママにメリットがあるだけではなく、赤ちゃんにとっても良い刺激になります。
ぜひ、毎日一万歩までとはいかなくても、数千歩を目標にして、ウォーキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
1. T Kajioka, H Shimokata, Y Sato(2000). The effect of daily walking on body fat distribution
2. Loretta DiPietro, et al. (2013) Three 15-min Bouts of Moderate Postmeal Walking Significantly Improves 24-h Glycemic Control in Older People at Risk for Impaired Glucose Tolerance
3. Kristiann C.Heesch, et al.(2015) Physical Activity, Walking, and Quality of Life in Women with Depressive Symptoms
4. F Dimeo, et al. (2001) Benefits from aerobic exercise in patients with major depression: a pilot study