こんにちは!ヘルスコーチのYUMI(@yumiid/@you_me314)です。
ダイエットを長いことしているのに全然痩せない!
お腹の肉が落ちない!
糖質制限しているのに全然効果がない!
といった相談をよく受けます。
カロリーを緻密に計算して、一日の摂取カロリーは消費カロリーを下回っているはずなのに、なぜ!!と思っているそこのあなた。
そもそもカロリーというコンセプト自体が、時代遅れの科学だということはご存知でしょうか。
カロリーというのはウィルバー・オーリン・アトウォーターという19世紀の科学者が発案したもので、食べ物を焼却した時の熱量を元に測られていました(1)。
でも、食べ物を焼却したときと、体で消化したときは一緒ではありません。
炭水化物、たんぱく質、脂質、アルコールの代謝は、それぞれ異なります。
ポテチ100kcalと鶏のささみ100kcalでは訳が違います。
全てを「カロリー」としてひとまとめにするのは、アメリカの片田舎のおっさんが中国人も日本人も韓国人もひとまとめに「チンクス」と呼ぶようなものです。「違えぇし!!」ってなりますよね(汗)。
何kcal食べるかよりも、何を食べるかの方がはるかに重要なのです。
もちろん、運動もしないのに自分の基礎代謝以上のカロリーを食べ続ければ、脂肪は増えます。
「カロリーは関係ないんだって」と思って、一日4000kcalも食べれば、それは肥満への近道です。
一方で、消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくしているはずなのに、体重計がびくともしないという人は、カロリー計算にとらわれて見落としがちになっていることがあります。
その3つの間違いとは何なのでしょうか?
なかなか痩せないという時に陥っているかもしれない3つの間違い
1.白い炭水化物を食べている
「カロリーの範囲内だから」とパンやパスタ、おにぎりやスイーツばかり食べていませんか?
砂糖、小麦粉、白米、じゃがいも、シリアル、コーンスターチ、米粉、タピオカ粉などは、全て白い炭水化物です。
白く精製された炭水化物は、血糖値を急上昇させます。血糖値が高い状態は体にとって危ないので、インスリンが分泌され、今度は血糖値を急降下させます。このインスリンが、脂肪をため込む要因の一つです。インスリンが分泌されている間は、脂肪は燃えないのです。
また、小麦粉の漂白に使用されている二酸化塩素は、食品中のタンパク質と結びつくとアロクサンという物質を作り出します。アロクサンは、科学実験の際にマウスを糖尿病にするために使われる物質です(2, 3, 4)。
そういう意味でも、手っ取り早く痩せたいなら精製された小麦粉はカットしたいものです(美味しいんですけどね)。
例えば糖質制限で1日70g以内に抑えるとしても、血糖値を無視してパンやスイーツなどを食べていたら、脂肪は落ちにくくなります。
全ての糖質はイコールではないのですから。
▼血糖値について詳しくは
▼小麦粉って実際どうなの?という話
▼糖質の代謝について分かりやすい動画
2.果物を食べ過ぎている
果物に含まれる果糖は、ご飯や小麦粉や砂糖に含まれるブドウ糖(グルコース)と違って、血糖値は上げません。
血糖値を気にし始めると、「じゃあGI値の低い果物ならいんじゃないの!」と言って、リンゴやミカン、梨などを好きなだけ食べたくなります。
しかしながら、果糖とブドウ糖の代謝経路は異なり、果糖の摂りすぎはかえって肝臓に負担をかけ、脂肪(特にお腹まわり)を増やすことにつながります。
ブドウ糖は直接血流に乗り、エネルギーとして使われるか、使われない分はグリコーゲンとして蓄えられます。
一方で、果糖はエネルギーとして使われるためには、肝臓でブドウ糖に変換される必要があります。なので、肝臓に負担をかけます。使われない分はグリコーゲンとして蓄えられますが、蓄えきれない分は中性脂肪に変わってしまいます。その多くは肝臓まわりに蓄えられるため、果糖の摂りすぎは脂肪肝につながることがわかっています(5)。
ある研究では、ブドウ糖と果糖どちらかで甘味を付けた飲料を10週間飲み続けたところ、果糖のグループの方がお腹周りの脂肪が増えていたことが分かりました(6)。
果糖は血糖値を上げないからという理由で、限度なく果物を食べていたら、なかなか脂肪は減らないというわけです。
もちろん、果物にはビタミンや食物繊維なども豊富ですから、食べるメリットはあります。でも、毎日何個も、というのはちょっと考え直した方がいいでしょう。
現代ほど果物が年がら年中手に入るという時代はいまだかつてないです。江戸時代の人間は一年中リンゴを食べていたでしょうか?きっと秋だけでしょう。人間は四六時中果物を食べるようにはできていないのです。
高果糖ブドウ糖液糖(HFCS)やアガベシロップにも注意
果糖の含有量が高い「高果糖ブドウ糖液糖」にも注意が必要です。ヘルシーに見せかけた市販のグリーンスムージーやダイエットドリンクにかなり入っています。
「異性化糖」や「High Fructose Corn Syrup(HFCS)」と書かれていることもありますので、原材料名を注意してみてみましょう。
ヘルシーそうな輸入物スイーツによく入っているアガベシロップも、果糖の含有量が90%と、高果糖ブドウ糖液糖の平均55%よりも高いことは、実はあまり知られていません。肝臓に負担をかけ、脂肪を増やす原因になりますので、避けた方が賢明です。
ちなみにフルーツとはいえアボカドは別格です!アボカドは果糖がほとんど含まれておらず、良質の油が豊富なので、むしろ積極的に摂りたい部類です。
3.でんぷん質の野菜を野菜にカウントしている
ダイエットのために野菜を食べる量を増やしているとか、野菜から食べ始める「ベジファースト」を実践している人もいると思います。
が、そういった方の食事記録を拝見すると、じゃがいもやかぼちゃやサツマイモなどのでんぷん質の野菜を食べて「野菜を食べた」としていることがあります。
確かにでんぷん質の野菜もカテゴリ的には野菜ではありますが、糖質が多く、GI値も高いものが多いのです。
蒸したジャガイモ100gの糖質量は15.7gで(7)、GI値は80~100あります。※品種による
「白い炭水化物」と同じように、血糖値を跳ね上げます。
白いごはんお茶碗1杯の糖質量は57.15g(7)、食パン6枚切り1枚が30.3g(8)だから、
なんだジャガイモの糖質はそんなでもないじゃん。と思うかもしれません。
でも、蒸したジャガイモ100gは中くらいのサイズの3/4程度であって、
実際に食べるときは100gでは済まないのです。
マッシュポテトやフライドポテトとして食べるとき、1食分は200~300gにも上ります。
糖質量は31.4~47.1gになります。
よくサイドディッシュとして付いてくるポテトサラダも、「サラダ」という名前がつくので野菜を食べたつもりになってしまうかもしれませんが、実は炭水化物です。
その他のでんぷん質の野菜も、にんじんのGI値は92、かぼちゃのGI値は66、サツマイモは48です(9)。
野菜ではなく炭水化物とカウントすべきです。
1日に摂取する糖質を150gと決めたなら、でんぷん質の野菜に含まれる糖質もカウントしましょう。
もちろんでんぷん質の野菜には栄養価が豊富ですし、食べるメリットはあります。
ジャガイモ以外の根菜類はGI値は中程度なので、「白い炭水化物」の代わりとすると良いでしょう。
じゃあ何食べればいいの?
白い炭水化物も果物も根菜類もダメなら、何食べたらいいの?!となるかもしれません。
でもね、ダメとは言ってませんよ!
痩せたいなら、限度をわきまえましょうねということです。
積極的に食べるべきものは、
野菜(特に緑の葉野菜)、肉、魚介類、卵、豆、キノコ、良質な油
です。
具体的なメニューとしては、例えばこんなものです。
・焼き鮭とオリーブオイルをたっぷりかけた大きなサラダ
・豚しゃぶと蒸した白菜と納豆
・蒸し鶏とキノコソテーと蒸したブロッコリー
それに運動量に応じて、玄米、さつまいも、にんじん、かぼちゃなどの低GIの炭水化物をこぶし1個分ほどプラスしても良いでしょう。運動量が多い人、授乳中の人などは炭水化物をそれより多めに摂ってもOKです。
えー!!大好物の○も△も食べれない!!と思うかもしれません。
が、一番大事なのは、「痩せる」と決意することです。
決意が固ければ、それを達成するために通らなくてはならないどんなことも苦ではなくなります。
そして、具体的な目標を立てること。
・月末までにウエストを○センチ減らす
・2ヶ月で体脂肪率を○%落とす
といった具合です。
▼目標の立て方がわからないなら
ではでは、3つの間違いを見直して、もっともっと健康に!
1. Scientific American. How Do Food Manufacturers Calculate the Calorie Count of Packaged Foods?
2. 内閣府 食品安全委員会. 食品安全総合情報システム 二酸化塩素
3. Vita Giaccone, et al. First report on the presence of Alloxan in bleached flour
4. ResearchGate. Alloxan Induced Diabetes: Mechanisms and Effects
5. Kasper W. ter Horst and Mireille J. Serlie. Fructose Consumption, Lipogenesis, and Non-Alcoholic Fatty Liver Disease
6. Kimber L. Stanhope, et al. Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humans
7. 文部科学省. 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
8. Pasco. 栄養成分表
9. The University of Sydney. Glycemic Index Database