先週末行った軽井沢では、木々が光合成したばかりのつくりたての酸素をたくさんいただいて、リフレッシュしてきました!
年に何回か軽井沢に行くのですが、駅に降り立った瞬間から、吸う空気の質が違うのが感じられます(セレブとか言われますがいつも泊まるのはホテルではなく数千円のキッチン付き宿です。笑)。
それだけではなく、森林の中を歩いていると不思議と心のカセが取れたような、気楽で暖かい気持ちになるんです。そんな感覚が大好きで、何度も軽井沢に行きたくなってしまいます。でもそんなにしょっちゅう行けるものではないので、軽井沢癒し効果を求めて普段は新宿御苑を徘徊しています。笑
都会はコンクリートに囲まれ、排気ガス、騒音、ギラギラのライト、人ごみなど、疲れますよね。
こういったストレス要因により、知らないうちに体はストレスホルモンのコルチゾールを出しまくっています。コルチゾールはもちろん人間に必要なホルモンですが、本来は外敵に襲われたときなどにどばっと出ることで、血糖値を上げ、使えるエネルギーを増やし、戦ったり逃げたりできるように助けてくれるものです。
しかし、都会人兼現代人は、環境ストレスにプラスして仕事や対人関係、多量のカフェイン、PCやスマートフォンなど、コルチゾールを上げすぎるものに囲まれています。
体としては、常にアタックされている状態と同じなのです。
コルチゾールの働きについてはこちらに詳しく書いています。
だから軽井沢など自然の多いところに行くと、環境ストレス要因が一気に排除され、コルチゾールが減り、心と体がマイナスイオンの癒しモードへと導かれていくんですね。
その他には森林浴にはどんな体&脳へのメリットがあるんでしょうか?
また、都内にいながら森林浴を楽しめるスポットをまとめてみました!
無視できない効果あり!森林浴の体&脳へのメリット
1.森林浴はくよくよ思い悩む部分の脳を鎮めてくれる⇒うつ病予防・改善に
何か不快なことがあった時、無意識にその時のことを頭の中でリプレイしたり、「あ~あの時こうすればよかった」「次あの人に会ったらこう言ってやろう」などといったネガティブ思考を繰り返していることがありませんか?
そんな時、脳の脳梁膝下野(のうりょうしっかや:subgenual prefrontal cortex)という部分が活発に動いています。このような脳の動きはルミネーション、または抑うつ的反芻(はんすう)と呼ばれており、うつ病やその他の精神病と深い関わりがあります。
森林浴には、なんとこの脳梁膝下野の動きを鎮める効果があることが分かっています。
スタンフォード大学の研究では、被験者に90分間森林を散歩してもらった時と、街中を散歩してもらった時の脳の動きを比較しました。その結果、森林の中を散歩した時の方が脳梁膝下野の動きが弱まっていたのです。被験者の自己申告でも、街中を散歩した時と比べ抑うつ的反芻は減少していたようです。
精神の安定を図るためにも、都会の環境の中でも緑に触れる機会をつくることがいかに大切か気づかされる研究です。
また、街路樹の近くにいるだけでも精神面にポジティブな効果があるという研究もあります。90分も森林を散歩する時間がないという人は、公園や道端の木の近くにあるベンチに腰かけて、少しリラックスの時間を持つと良いかもしれませんね。
2.森林浴は記憶力をアップさせる
森林の中を歩くと記憶力、特に名前や地名などを短い期間覚えている「短期記憶」の機能が向上するという研究もあります。
ミシガン大学が行った実験では、被験者はまず記憶力を要するお題を与えられ、一つのグループは森林を、もう一つのグループは交通量の多い街中を散歩させられました。その後テストを受けたところ、森林を歩いたグループの方は短期記憶が20%もアップしていたのです。
また別の実験では、一つのグループは自然の画像を眺め、もう一方は街中の画像を眺めた後に記憶力を要するテストを受けたところ、最初の実験ほど顕著ではないにしろ、自然の画像を眺めたグループの方が良い結果が出ました。
街中を歩くということは、双方向から走ってくる車やバス、遠くから聞こえるサイレンの音、他の歩行者などに気を付けなければならないということ。そういったものに無意識のうちに注意力が奪われるため、脳の働きを十分に記憶に配分ことができなくなるのです。
画像の実験でも、街中を眺めたグループは無意識に画像の中のバスや歩行者に注意を払ってしまっていたのかもしれません。
これは・・オフィス空間や勉強机を自然の画像で埋め尽くすしかないですね!
3.森林浴はガンを予防してくれる
予防医学的な観点から見ても、森林浴には効果があるようです。
日本医科大学は、森林の中を歩いた前と後とで、ガンやウイルスと戦うNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きに変化があるか実験をしました。
被験者は森林のあるところに2泊3日滞在し、数時間森林の中を散歩しました。その後NK細胞の動きを測ったところ、ほぼ全ての被験者のNK細胞が50%も活性化されており、また数も増えていたことがわかりました。
また、活性化したNK細胞の働きは1か月後も実験前より23%高かったのです。
ガン予防のためにも、定期的に森林を歩きたいですね!
一つ突っ込みたいのは、この被験者たちは1日目に2時間、2日目には朝と夜に2時間ずつ歩かされたようです。結構ストイックなハイキングですよね!笑
森林浴についておすすめの本「NATURE FIX」
アメリカのジャーナリスト、フローレンス・ウィリアムズ氏が、森林と脳の関係性について調べるため世界中を飛び回ります。宮崎教授の研究ツアーに参加するために、日本に来た時のことについても綴られています。この本によると、日本は世界的にみても森林浴推進国なんだとか。「森林浴」という言葉も日本発祥で、英語になっていますもんね。アメリカ、日本、韓国、フィンランドと、森林浴を研究するモチベーションの文化的違いなども、面白い見方が読み取れます。
頭を使う仕事をするなら、森林浴は欠かせないと思わされます。←影響受けやすい(笑)
NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
フローレンス・ウィリアムズ
東京23区内で気軽に森林浴ができるオススメの「プチ森」4選
さぁそろそろ森林浴をしたくなってきましたか?
そんなしょっちゅう森に出かけてられっか!という忙しい東京人のために、都内にいながらにして森に来た気分になれる「プチ森」をご紹介します。
新宿御苑
定番中の定番ですが、新宿御苑は有料(200円)なだけあってよく整備がなされていて、とても快適な公園です。特に母と子の森は、プチ小川やプチ丘があって、ウグイスが鳴いていたりなんてして、都会にいることを忘れさせてくれる憩いの空間です。カメさんもいますよ。
代々木公園
これも定番中の定番ですが、入場料もかからないし気軽に行ける公園です。週末はイベントがあったり観光客などで賑やかですが、池の周りでは水浴びする鳥を見れたりなんかして和みます。
小石川植物園
新宿御苑などに比べると小さいですが、高低差が結構あってハイキング感を楽しめます。西側の池のほとりにたたずむ建物は、東京大学総合研究博物館の小石川分館。もともとは旧東京医学校の社屋で、明治に建てられたレトロな建築で、ちょっとばかし文明開化の雰囲気が味わえます。入場料は400円です。
東京大学本郷キャンパス 三四郎池
東京大学本郷キャンパスのど真ん中にある森を下っていくと現れる小さな池です。これまたニッチなスポット挙げてきたなという感じかもしれませんが笑、都会の中の秘密の桃源郷感が私は結構好きです。小さな滝もあります。蚊が多いので虫よけ対策をお忘れなく!
とまぁ渋谷新宿文京区に偏ってしまいましたが、皆さまオススメの都会の森があったら教えてください!
▼ちょっと遠いけど、檜原都民の森もオススメです!
どんどん暑くなる今日この頃ですが、森林でちょっと涼みながら、メンタルヘルスを取り戻し&記憶力アップ&ガン予防をしてみてはいかがでしょうか?
それではもっともっと健康に!
NCBI. Subgenual prefrontal cortex abnormalities in mood disorders
Wired. 憂鬱と「深い思考」の関係:研究結果
Mental Health. Daily Living Near More Trees Linked To Less Antidepressant Prescriptions
PSY Blog. Memory Improved 20% by Nature Walk
Psychological Science. The Cognitive Benefits of Interacting With Nature
NCBI. Forest bathing enhances human natural killer activity and expression of anti-cancer proteins.