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ヘルプ!食欲が止まらない!② ~渇望感を抑えられない3つの原因

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食欲が抑えられない時、体の中ではどのようなホルモンや神経伝達物質が関係してくるのかを前回の記事で解説しました。

今回の記事では、具体的に渇望感の原因になっているものは何なのか?という部分を掘り下げていきたいと思います!

前回の記事をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。

前の投稿 ≪ ヘルプ!食欲が止まらない!① ~渇望感を引き起こすしくみとは?

 

1.原因その1:栄養不足

渇望感原因-栄養

渇望感の最大の原因、それは栄養不足です!

飽食の時代の今に、栄養失調なんてあるわけがないと考えられるかもしれません。

でも加工品として流通してる食べ物には栄養価が低いものばかり。農薬が使われるようになり野菜の栄養価も100年前と比べると3~5分の1に落ちていると言われています。

だからお腹がはち切れるほど食べているはずなのに体が必要とする栄養素は取れておらず、栄養失調に陥っていることは少なくありません。

朝ごはんに食べた菓子パン、夕ごはんに食べたカップヌードルやソース焼きそばにいったい何の栄養素が含まれているんでしょうか?

「ビタミンC強化!」とか「1日に必要なカルシウム!」とか書いてあったとしても、以前の投稿「サプリメントって効果ある?実はお金の無駄かもしれない3つの理由」で触れたように人口の栄養素はバイオアベイラビリティが低く、体内でうまく吸収されていないことがあります。
残念ながらこういうものを食べて摂れるのは炭水化物と酸化した脂肪だけです。

そんなこんなで慢性的な栄養不足は慢性的な過食につながってしまいます。

栄養が足りていないということは、体は常に栄養素が枯渇している状態。体は飢餓状態にあると認識し、もっと食べ物を体に入れるように脳に指令を送ります。

肥満の人の多くは、実は栄養失調です。体は飢餓状態にあるのでエネルギーを蓄えておこうと、過剰に脂肪細胞を作ってしまうのです。

体は実によく出来ているので、栄養価の低いものからでも細胞が作れるようにはなっています。でも高糖質・高脂肪・低たんぱく・低食物繊維の現代人の食事では、体が本当に欲しがっている栄養素を入れてあげられていないことが多のです。

また、砂糖、小麦粉、カフェインなど反栄養素の含まれている食べ物の消費量は年々増えています。

反栄養素とは特定の栄養素の吸収を阻害する物質のことを言いますが、例えば砂糖の摂りすぎはマグネシウムやカルシウム、ビタミンDなどの吸収を阻害します。カフェインの摂りすぎは鉄分不足に。健康的と思われている非発酵の大豆製品(豆乳や豆腐など)や玄米も、繁栄要素のフィチン酸が含まれているので、そればかり食べているとカルシウム、マグネシウム、鉄や亜鉛などのミネラル不足につながります。

特にマグネシウムは現代人に最も不足している栄養素と言われています。マグネシウム不足は、砂糖への渇望感となって現れることがあります。

また、必須脂肪酸や必須アミノ酸など「必須」と付くものは体が合成できないので、必ず食べ物から摂ってあげる必要がありますが、忙しい現代人の食事は糖質に偏りがちです。

糖質は体の中でブドウ糖に変りますが、体はブドウ糖なら食べなくても体内である程度作ることができます。

糖質や脂肪はエネルギーとなり、不要なものは脂肪細胞に変わりますが、体の本当に重要な部分、すなわち臓器や血管、骨や筋肉はタンパク質によって作られています。タンパク質は体内で作ることも溜めておくこともできないので、食べ物として摂ってあげる必要があります。

糖質を全くカットすることを示唆するわけではないですが、糖質に偏りがちな食生活をしている人は見直してあげる必要があるかもしれません。

私たち現代人が普通と思っている食べ物は、人類の歴史にとっては普通ではありません。流通の効率化と保存力を重視するあまり、色々変わってしまったのです。

私たちは数百年前までの人間が食べていなかった、たくさんの加工品や化学物質を食べています。これで体のバランスがおかしくなるのは当たり前なのです。

変な渇望感が起こっている時に、自分は本当に栄養価が足りているのかまずは見直してあげましょう。

・炭水化物と肉ばかり食べていないか?
・ヘルシーだと思って野菜ばかり食べて、タンパク質不足になっていないか?
・反栄要素の入っているものを摂りすぎていないか?
・スナック菓子を食べ過ぎていないか?

甘いものやカロリーの高いものに手が伸びてしまうのは、あなたの意思が弱いことが原因ではなく、体が足りていない栄養素を欲して送ってくれているシグナルなのです。

だから体が本当に必要とする栄養素は何なのか、自分の食生活と照らし合わせて考えてみましょう!

 

過食の原因になる「カロリー密度消失(Vanishing Calorie Density)」とは? 

渇望感原因-カロリー

スナック菓子を食べ始めると、どんどん手が伸びて、気づいたら袋が空っぽになっていることってありますよね。

何かに操られているかのように、一つ、また一つと、袋の中のお菓子を全て食べきってしまわなければ気が済まない!!という衝動を感じたことはありませんか?

 

実はこれ、私たちの意思が弱いからではないんです。

カロリー密度消失」という言葉を聞いたことはありますか?

カール、かっぱえびせん、おっとっと、チョコリングなど・・・大手製菓メーカーが作るスナック菓子というのは、研究に研究を重ねて開発されています。

特に口の中でサッと溶けてなくなる仕様のお菓子は、そんなにカロリーの高いものを食べていると脳が感知できないのです。これが「カロリー密度消失」です。口の中からすぐになくなってしまうので脳は高カロリーなものが入ってきていると認識できず、なかなか満腹のシグナルが送られません。これはアメリカなどでは肥満の原因の一つとして問題視されています。詳しくは「フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠」を読んでみてください。

脳を騙して食べ続けてしまう、そんな「フードトラップ」がスナック菓子には仕掛けられているのかもしれません。

こういう商品を開発するのは、もっと買わせることが目的であって、消費者の健康は全く考えていません。

たまに「カルシウム強化!」とか書いてありますが、マーケティングです。それが消化吸収されるとは限りません。

本気でダイエットを考えているなら、こういったものを家に置かない、買わない、売っている場所にも行かない、を徹底してみてください。自分の健康には自分で責任を持たなければなりません。

 

2.原因その2:睡眠不足

渇望感原因-睡眠

睡眠不足も渇望感の大きな原因の一つになります。

まず始めに、たった一晩の徹夜でも満腹ホルモン「レプチン」の生産が減るということがスタンフォード大学の研究で分かっています。

また、徹夜でなくとも5時間睡眠の被験者と8時間睡眠の被験者を比べたところ、睡眠が短い方がレプチンが15.5%も減り、空腹ホルモンのグレリンが14.9%も増えていることが分かりました。

寝不足だと十分な満腹感を得られなくなり、空腹感も感じやすくなるということです。

 

また、こんな研究もあります。

USバークレーの研究では、24時間寝ていない人に脳スキャンをしたところ、扁桃体の活動が活性化されていたことがわかりました。扁桃体は生き延びるための本能を突き動かす、脳の中でも非常に原始的な部分です。

さらに、前頭前皮質の動きが弱まっていたこともわかりました。ここは、問題解決、意志決定や理性的な善悪の判断を司る部分です。

要するに、睡眠不足だと理性的な判断ができなくなり、生き延びるために必要なものをとりあえず何でもいいから食べる、というような判断をしてしまうということです。

 

さらに、徹夜をするとブドウ糖の脳への到達が6%減ることが分かっています。特に、理性的な判断をする前頭前皮質へのブドウ糖の供給は12~14%減っていたことがわかりました。

そうすると、脳が飢餓感を感じ、生き延びるためにもっとブドウ糖、すなわち糖質を欲するようになるのです。

理性的な判断も弱っているので、脳はすぐにブドウ糖に変えられるような生成された炭水化物を好みます。そういうものばかり口にしていると体は栄養不足に陥り、さらに渇望感が増す、といった悪循環に陥ります。

最近妙に甘いものが食べたくなるという人は、自分の睡眠時間が足りているかどうかを見直してみましょう。少なくとも6時間半~8時間の睡眠は必須です。

一方で、仕事や育児で遅くまで起きていなければならないなど、誰にだって避けられない時はあるものですよね。ですので、食欲のコントロールができなくなった時のために、あらかじめに栄養価の高いおやつを用意しておくことも大切です。

飢餓感を感じたときに、精製度合が高く血糖値を跳ね上げる炭水化物を避けることで、
寝不足⇒糖質ドカ食い⇒栄養不足⇒さらに食べたくなる
といった悪循環にハマることをある程度回避できます。

 

3.原因その3:ストレス

渇望感原因-ストレス

3つ目の大きな原因はストレスです!

ストレスを感じると、副腎からアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが出ます。ストレスのかかった環境に体が対応しようとしているためなので、それ自体は悪いことではありません。

アドレナリンやコルチゾールは肝臓に貯めたブドウ糖を引き出すことで血糖値を上げ、体にっての「脅威」と格闘しようとします。

そしてしばらくするとまた血糖値が下がってきます。
ということは体内のブドウ糖が枯渇し、糖質を食べたくなるというわけです。

一時的なストレスであれば、CRFやエンドルフィンといったホルモンが分泌され、食欲を抑えてくれるとも言われています。

ただし、一定の期間を超えるとコルチゾールが絡んできます。
コルチゾールは「何かをしよう」というモチベーションを上げるホルモンなので、コルチゾールが出続けていること自体が食欲の増加につながるのではないかとされています。

コルチゾールが高いと、睡眠の質も下がってしまいます。睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を阻害するからです。

結果、十分な睡眠がとれず、2で触れたようなループにはまっていってしまいます。だから慢性ストレスは何とかして解消させてあげる必要があります。

ストレスによる過食は、男性よりも特に女性の方が陥りやすいことがわかっています。

いわずもがな、私はストレスがかかるとお腹が減ってもいないのに食に走ってしまいますが、旦那がストレスのせいで何か一生懸命食べているのは見たことがありません。

ちなみに、ストレスなんて感じてないのになーと思うかもしれません。でも、自分がストレスと思わなくても、実に色々なものを体はストレスと受け取っています。

例えば、環境音だったり、人ごみ、満員電車、渋滞、カードの請求額が思ったより高かった時、愚痴ばかり言う同僚、携帯電話のブルーライト、夜でもギラギラした蛍光灯やネオン、何かが達成できていない状態のとき、ソーシャルメディア上のどうでもいい人の見たくもないアップデート・・・

自分の好きなことをする時間をきちんと作れていないことも、体にとっては大きなストレスになります。

 

また、ネガティブ思考や自己卑下も大~~~~きなストレスです!

誰かから「お前はダメなやつだ、お前は醜い」なんて言われたらすっごく傷つきませんか?
でも、そんなことを私たちは日々自分に話しかけていませんか?

ネガティブな自己評価は、知らず知らずのうちに自分の心を傷つけています。
ぜひとも何事もポジティブに考える「練習」をしてください。ポジティブ思考は、身に着けられるものです。

ということで、食事も睡眠もしっかりしているはずなのに、渇望感が止まらない!という方は、生活の中で自分でも気づいていないストレスがないか見直してみましょう。

それを回避することがベストですが、回避できない場合は自分の楽しいと思うことをする時間を作ったり、瞑想したりと、ストレスを軽減する努力をするといいかもしれません。

 

まとめ

お腹が減ってもいないのに何かを食べたい!と思う時は、必ずしも私たちの意思が弱いせいではありません。

体は何らかの危機感を感じていて、それに対処するためのエネルギーをもっと補えるように、食欲の形を取って私たちに知らせてくれているのです。

何度も書きましたが、渇望感自体は悪いことではなく、体がバランスを整えようとしている証拠です

まずは自分は意思の弱い人間なんだ・・・と自分を責めることをやめてあげてください。それがストレスになり、さらなる渇望感を引き起こす原因になっているかもしれません。

そして渇望感が起きたときに、食べるものの質にぜひ気を付けてみてください。

栄養価のないもの、砂糖まみれのものを極力食べないようにしましょう。渇望感がよけいひどくなり、体重が増え、自己嫌悪という永遠ループにハマってしまいます…。

 

私たちが食べるもの、行動、考えることは全てがつながっています。

何か一つの側面ではなく、食・睡眠・ストレスといったライフスタイル全体を見直す努力をしましょう!

 

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<参考文献>
UCSF. Blood Sugar & Stress
NCBI. An Integrative Review on Role and Mechanisms of Ghrelin in Stress, Anxiety and Depression.
News Medical. Hunger hormone ghrelin increases during stress, may have antidepressant effect
Nikkei Style. 満腹を感じない…脳をだます奇跡の菓子にご用心
Huffington Post. The Health Dangers of Soy
Huffington Post. Adrenaline, Cortisol, Norepinephrine: The Three Major Stress Hormones, Explained
The Paleo Mom. 5 Nutrients You’re Deficient In… If You Eat Too Much Sugar
Stanford Medicine. Losing sleep over cystic fibrosis: sleep and the adolescent with cystic fibrosis
Center for Human Sleep Science. The human emotional brain without sleep — a prefrontal amygdala disconnect
Springer. Sleep Deprivation and Disease
Harvard Health Publishing. Why stress causes people to overeat
The Model Health Show. The Science Of Cravings: Serotonin, Dopamine, And Cheetos

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