こんにちは!ヘルスコーチのYUMI(@yumiid/@you_me314)です。
ダイエットを頑張っている人の中には、運動をどんなに頑張っても、カロリー制限しても糖質制限しても痩せない!という方もいるかもしれません。
努力しているつもりなのに、なかなか結果が出ないことにフラストレーションを感じますよね。
痩せない理由の多くは、栄養不足と筋力不足です。
無理な食事制限をすると慢性的な栄養不足になり、体は飢餓状態に入ります。そして脂肪を貯め込むように脳から指令が出てしまうのです。
また、ランニングなどの大きな筋肉を使わない有酸素運動を長時間行うと、脂肪ではなく筋肉が減ってしまいます。筋肉は脂肪よりもランニングコストがかかります。だから、糖新生というプロセスを経て筋肉をエネルギーに変えてしまうのです。
カロリー制限ダイエットで減る体重の70%は、筋肉だといわれています。
筋肉が減ると代謝が落ち、インスリン抵抗性が増し、痩せにくい体になってしまいます。
さて、ダイエットのために色々な情報を検索されるかと思いますが、ただ単に睡眠が足りていないだけということも多いのです。
痩せるために色々な試みをしてきたけれど、10時に寝るようになったらすんなり痩せてしまったという人も少なくありません。ダイエットというパズルの中で、食事、運動の次に欠けているピースは「睡眠」かもしれません。
あなたは以下のチェックリストに該当しますか?
✔食事を変えても運動してもなかなか痩せない
✔この記事を読んでいる今、夜10時を過ぎている
✔とにかく痩せたい
該当したら、この記事を読み終わったらスマホを閉じてさっさと寝ましょう。
いや、マニアックな説明が続くので読みながら眠くなるかもしれませんね(笑)。
なぜ痩せたいなら寝るべきか。その理由を説明していきます。
運動でも食事でも痩せないのは寝てないからかも?!睡眠がダイエットに欠かせないワケ
1.体内時計が乱れることによってインスリン抵抗性が高まり、脂肪を蓄積しやすくなる
インスリン抵抗性?ほえっ?という感じかもしれませんが、まず体内時計について説明していきましょう。
体内時計(概日リズム)が乱れた状態とは
体内時計が乱れると聞いて想像するのは時差ボケかもしれませんね。日本からアメリカに飛ぶと時差ボケが起こります。
アメリカが昼の時には日本が夜なので、昼間なのに眠い。逆に夜が来ても目がギンギン。この時体内では何が起こっているかというと、夜に出るべきホルモンが昼に出ていて、昼に出るべきホルモンが夜に出ているのです。
昼に出るべきホルモンはコルチゾールといって、朝6~8時くらいをピークに分泌され、日が暮れるとほとんど出なくなります。夜に出るべきホルモンはメラトニンといって、コルチゾールの分泌が減るにつれて増えてきます。メラトニンは眠気をもたらして心地よい入眠を促してくれます。深い眠りに入るためにもメラトニンが欠かせません。深い眠りでは、古い細胞が修復されたり新しい細胞が作られます。深い眠りに入れれば入れるほど若返るのです(笑)。
さて、体内時計が乱れている状態とは、多くの場合、夜になってもコルチゾールが出まくっている状態を指します。長時間フライトでアメリカに飛んでいなくても、夜遅くまでスマホやパソコンを眺めていたり、蛍光灯ギラギラの部屋の中にいたり、ディナーの後にコーヒーを飲んじゃったりなんかすると、夜にコルチゾールが出てしまいます。こうなると夜になっても目がさえてして眠れない。朝が来てもなかなか目が覚めない。そんな状態になってしまいます。心当たりありませんか?
この体内時計のことを概日リズム(circadian rhythm)といいます。
概日リズムが乱れると、インスリン抵抗性が高まり、脂肪を貯めやすくなります。
インスリンとインスリン抵抗性とは
ここで、そもそもインスリンって何や?という話をします。
インスリンは膵臓から出るホルモンです。ご飯を食べると血糖値が上がります。特に糖質の多いものを食べると血中に糖(ブドウ糖またはグルコース)が増えます。血糖値が高い状態は体にとって危ないので、ここでインスリンが出てきて血糖値を下げます。
インスリン抵抗性とは、インスリンが上手く効かなくなってしまった状態のことをいいます。肥満の人や筋肉量が少ない人、糖質ばかり食べている人によく見られる現象です。
糖質の多いものを食べて血糖値が上がると、インスリンが出ます。一旦血糖値は下がりますが、間もなくして糖質の多いものを食べると、また血糖値が上がり、インスリンが出まくります。これを繰り返していると、インスリンがどれだけ体内を巡っても、細胞がインスリンを受け付けなくなってしまうのです。
すると膵臓はさらにがんばってインスリンを出します。でも細胞はインスリンに反応しないので、インスリンが増え続ける。この悪循環がインスリン抵抗性です。
NHKの料金徴収員が毎日玄関先にしつこく現れたら、居留守を使いたくなりますよね。徴収員がインスリン、あなたが細胞と考えてください。しかも一人だけじゃなくて何人も現れたら?そろそろ外に出るのも怖くなりそうです。
細胞がインスリンに反応しないと、血中の糖があるべきでない数値に上がってしまいます。だから余った分が尿に出てくる。それが糖尿病です。
インスリン抵抗性の何がまずいの?
糖尿病にならなかったとしても、インスリン抵抗性が高まるとなにがまずいかというと、インスリンは脂肪をため込むホルモンだということです。インスリンの役割は血中の糖を捕まえて肝細胞や筋細胞に送り込み、エネルギーとして使ってもらうことです。でも、糖が増えすぎると、インスリンは糖を脂肪細胞として蓄えるように働きかけるのです。よってインスリンが出ている間は、脂肪は燃えないのです。
さぁ、ここまで1000文字以上をかけてきた説明を一言でまとめると…
寝てないと脂肪増えるよ
ということです(笑)。分かりましたか?
2.食欲を制御するホルモンのバランスがおかしくなる
Photo credit: John Nakamura Remy, edited
寝ないでいると痩せない理由の2つ目は、食欲のコントロールが難しくなるからです。
ごはんを食べ始めてしばらくすると、レプチンというホルモンが分泌され、満腹であることを教えてくれます。
でも、睡眠不足の状態だとレプチンの分泌量が減ってしまい、お腹がいっぱいであることに気づきにくくなります。
スタンフォード大学の研究では、5時間睡眠の人と8時間睡眠の人のホルモンレベルを比べました。すると、睡眠が短い方がレプチンが15.5%も減っていたということが分かりました。
それに更に拍車をかけるように、睡眠不足だと空腹であることを教えてくれるグレリンというホルモンの分泌が増えるのです。要するに寝ていないとお腹が空いたと感じやすくなるということです。
同じスタンフォード大学の研究では、5時間睡眠の人は、グレリンの分泌が14.9%も増えていたのです。
食欲コントロールのためにも8時間睡眠は目指したいところですね!
ちなみに満腹ホルモンのレプチンは脂肪細胞から分泌されます。
だったら体脂肪が多い人はレプチンがたくさん分泌されるはず。でも痩せないのはなぜ?と思うかもしれません。
それは、レプチンが多すぎると逆にレプチンに対して「抵抗性」が高まってしまうからです。分かりやすく言うと、レプチンの効きが悪くなるということです。
だから、肥満だけど寝ていない人にはこんな悪循環が成り立ってしまいます。
脂肪が多いからレプチンが効きにくい
↓
寝不足
↓
レプチン減る
↓
満腹を感じないのて余分に食べる
↓
脂肪増える
↓
さらにレプチン効きにくくなる
鶏か卵かみたいな関係ですが、とりあえずは寝た方がよさそうですね(笑)。
3.脳機能が低下する
脳機能とダイエットの何の関係があるの?と思うかもしれません。いや、関係大ありです。だって目の前にあるドーナッツを食べるか食べないか判断するのって脳でしょ。口じゃないでしょ。目でもないでしょ。
寝ていないと脳の機能が低下し、すぐにエネルギーに変わるような糖質を欲するようになってしまうのです。
寝不足の日は、なんだか甘いものが無性に食べたくなったりしませんか?私は授乳で最低1回は毎晩起きなくてはならないので、子供を産んでから糖質欲がやばいです(笑)。
脳機能が低下するとはどういうことでしょうか?
上の図を見てください。ここでは、前頭前野(ぜんとうぜんや)と偏桃体という2つのプレーヤーが登場します。
前頭前野は、理性的な判断をするところ。「ドーナツ食べたいな~」と思ったときに、「あかん!今食べたら太るからやめとけ!」と教えてくれるところです。
偏桃体はもっと野性的なところで、野獣に追っかけられたりしたときに、「やばい!血糖値上げろ!血流増やせ!さもないと全力で逃げられない!」と指令を送るところです。
さて、脳のエネルギーは糖(ブドウ糖)だということはご存知ですね。
徹夜をすると、脳に到達するブドウ糖は6%減ってしまうということがわかっています。
脳全体の働きがニブくなるということです。
さらに、睡眠時間が6時間以下だと、理性的な判断をする前頭前野に送られるブドウ糖は12~14%も減ってしまいます。これは、判断ミスをしたり、感情のコントロールができなくなることにつながります。
「ドーナツ食べたらあかんからやめとけ!」という判断ができなくなるということです。
また、寝ていないと扁桃体の活動が活性化します。体は野獣に追っかけられた時と近い状態になるということです。偏桃体は、血糖値を上げるように副腎に指令を送りますから、体はさらに糖を欲するようになります。
こうして、寝ていれば手を出さなかったはずのコンビニスイーツを食べてしまった、というアクシデントが起きるわけです。
ダイエットを成功に導くには、脳が正常に稼働していることがいかに大切か、おわかりになると思います。
まとめ
このように、ダイエットでなかなか結果が出ない方は、ただ単に寝不足なのかもしれませんよ。
痩せないなぁと悩んだりスマホでダイエット法を調べる暇があったら、今すぐスマホを閉じてさっさと寝ましょう!
「睡眠ダイエット」の素敵なところは、タダだし努力がいらないというところです(笑)。
最高ですね。
寝ろと言われても不眠症気味なんだよね、という人は、眠りの土台が整っていない可能性があります。
こちらの記事を参考にしてみてくださいね。これを実践するだけでかなり眠りの質がよくなりますよ。
もしくはショーン・スティーブンソンのSLEEPという本をおすすめします。
詳しいレビューはこちら。
ではでは、睡眠がダイエットに不可欠なことを理解したところで、もっともっと健康に!
University of Utah. How sugar converts to fat
Livestrong.com When Does Glucose Convert to Fat?
Stanford University. Stanford study links obesity to hormonal changes from lack of sleep
Shi et al. Vanderbuilt Universiy. Circadian disruption leads to insulin resistance and obesity
Shawn Stevenson (2016). Sleep Smarter