こんにちは!ヘルスコーチのYUMI(@yumiid/@you_me314)です。
よく受ける相談の一つが、PMS(生理前症候群)をどうにかしたいというもの。
そんな方にまずお伝えするのは、コーヒーと砂糖をやめてみてくださいね、ということ。
コーヒーと砂糖…(@_@;)
「カフェに行った時の楽しみは甘いものとラテなのに!!」「仕事の息抜きにチョコレートとブラックコーヒーが唯一の救いなのに!!」と言われそうですが。
でもPMSの辛さは、本当に全て投げ出したくなるものです。
頭痛に下腹部痛、腰痛にニキビ。妙な食欲、浮腫み、イライラ、気分の落ち込み。何でもないことで憂鬱になって涙が出てきたり。あぁもう仕事辞めようかなとか、急に彼氏との関係が不安になったり。かと思いきや生理が来ると、何事もなかったようにケロッと心が晴れる(でも生理痛には苦しめられる)。
そんな経験ありませんか?
私はここ一年間は妊娠出産で生理がないですけど(バンザイ!)、授乳が終わったらまたアレが戻ってくるのかぁと思うと、またすぐ妊婦に戻りたいくらいです(笑)
でも以前「コーヒー中毒だった私がカフェイン断ちした理由」に書きましたが、諸々の食生活改善により、私のPMSは大幅に改善しました。特に、気分の落ち込みなど精神的な部分での症状は、ほとんどありません。
これには、コーヒーをはじめ、カフェインをやめたことが大きく関係しています。
ということでこの記事では、コーヒー中毒&毎月PMSで悩まされている女子に向けて、PMSとカフェインの関係性について内分泌学的な観点から解説していきます。
PMSが辛いならカフェイン断ちすべき理由
女性ホルモンには2種類ある
まずは基礎から始めましょう。解剖生理学の授業を受けたことがある人や、不妊治療を行っている人でないと、女性ホルモンには主に2種類あるということをご存知ないかもしれません。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
よくちまたで「女性ホルモンをアップさせてお肌つやつや!」とか「女性ホルモンサプリでおっぱいを大きく!」とか言われますが、その文脈での女性ホルモンは「エストロゲン」の方です。
エストロゲンは、おっぱいを大きくしたりお肌に艶を持たせたりする働きをします。
2つのホルモンの主な働きには、こんなものがあります。
子宮内膜を厚くする
肌つやを良くする
乳房を発達させる
▼プロゲステロン
子宮内膜の厚さを維持する(厚くなりすぎないように調整)
余分な水分を排出する(自然な利尿剤)
精神を安定させる
エストロゲンとプロゲステロンは、生理周期を通して入れ替わります。それは、エストロゲンとプロゲステロンという2人の主役が、交互にステージに出てダンスを踊っているイメージです。
生理が始まると、徐々にエストロゲンの分泌が増え、約2週間後の排卵に向けて子宮内膜を厚くしていきます。排卵が終わると、プロゲステロンが出てきて、エストロゲンの分泌量は下がります。いわゆる高温期というやつです。
プロゲステロンは子宮内膜が厚くなりすぎないように調整し、受精卵の着床に備えます。着床がなければ、排卵から約2週間後にプロゲステロンの分泌量が減り、子宮内膜がはがれ始めます。これが生理です。そしてまたエストロゲンの値が高まってきて、次の月経周期に入っていきます。
このように、1ヵ月を通して快適な生理周期を過ごすには、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが上手く保たれていることです。ですが、私たち現代人の生活では、プロゲステロンを減らしてエストロゲンを増やす要因であふれています。大豆に含まれるイソフラボンや、プラスチックに含まれるBPA、化粧品に入っているパラベンやフタル酸エステルなどがその一例です。
これをエストロゲン・ドミナンス(エストロゲン優勢)といいます。エストロゲン・ドミナンスはPMSに大きくかかわっています。PMSのある人は、エストロゲンが足りないことよりもプロゲステロンが足りないことが大半です。エストロゲン・ドミナンスについてはこちらの記事を参照していただくとして、プロゲステロンを減らしてしまう要因について説明していきます。
コーヒーを飲むと出てくるコルチゾールがプロゲステロン値に干渉する
プロゲステロン値に干渉するもの、それはコルチゾールというホルモンです。このサイトを読んでくださっている方なら、そろそろコルチゾールとは何かということはご存知かもしれませんが、初めて読んでくださった方のためにも再度説明しておきます。
コルチゾールとは、腎臓の上にちょこんと乗っている「副腎」という器官から出されるホルモンです。コルチゾールは「ストレスホルモン」と呼ばれていて、ストレスを感じるとそれを対処するために分泌されます。主な働きは、血糖値を上げ、血圧を上げ、炎症を抑えることです。
緊張したり、興奮したり、強いストレスを感じた時を思い浮かべてみてください。心臓がドキドキしたり、息が荒くなったりすることがありますよね。これはコルチゾールとアドレナリンの働きです。アドレナリンも同じく副腎から分泌されます。
コーヒーを毎日愛飲している人は感じなくなっているかもしれませんが、濃~いエスプレッソを飲むと、心臓がドキドキしてきませんか?これはカフェインの影響です。コルチゾールは心拍数を上げる働きをしますから、カフェインに反応してコルチゾールが出てきた証拠です。
コルチゾールは筋肉に蓄えられたブドウ糖を血中に運んで、血糖値を上げますから、一時的にエネルギーがわいてきたような感じがします。コーヒーを飲むと目が覚めてくる感じがするのは、カフェインによりコルチゾールが分泌され、心拍数が上がって血糖値が上がってきたからということになります。
コルチゾールはプロゲステロンの受容体をブロックする
ではコルチゾールがプロゲステロンと何の関係があるのでしょう?
体の細胞にはホルモンがスポっとハマる容器のようなものがあります。これを受容体といいます。ホルモンがしかるべき受容体にスポっとハマることで、細胞は指令を受けてしかるべき活動をします。
コーヒーの飲みすぎが問題になるのは、コルチゾールの分泌量が増えてしまうこと。そして、コルチゾールはプロゲステロンがハマるべき受容体を横取りしてしまうということです。
そうすると、プロゲステロンは細胞に指令を出せなくなります。プロゲステロンが優勢になっているべき生理周期の後半に、プロゲステロンの活動が抑えられてしまえば、色々な不調が出てきてしまいます。
コルチゾールを作る材料はプロゲステロンと一緒
もう一つの問題点は、コルチゾールとプロゲステロンは、「プレグネノロン」という同じ材料から変換されてできているということです。コーヒーの飲みすぎでコルチゾールの需要が高まると、プロゲステロンよりもコルチゾールの生産が優先されてしまいます。このことをプレグネノロン・スティール(pregnenolone steal)といいます。「steal」とは「盗む」という意味ですね。
コルチゾールはカフェイン摂取だけではなく、ストレスや血糖値の乱れによっても
需要が増えます。だから、ストレスが特に酷かった月はPMSが悪化すると感じる人もいるかもしれません。甘いものや小麦粉など、血糖値を跳ね上げる食生活をしているとPMSがひどくなるのも、コルチゾールの需要増が関係しています。
▼血糖値とコルチゾールについて詳しくはこちらを読んでみてください。
コーヒー以外にも注意したい意外なカフェイン源
コーヒーはそんなに飲まないんだけど、という方もいらっしゃるかもしれません。でも、カフェイン源はコーヒーだけではありません。お茶、緑茶、紅茶、チョコレート、エナジードリンクなど、摂りすぎていませんか?コーラなどの清涼飲料水にもカフェインが含まれていることがあります。
カフェイン耐性は人それぞれなので、コーヒーを毎日3杯飲んでも何の問題もないという人もいれば、紅茶に含まれるカフェインだけで動悸がしてしまうという人もいます。でも、コーヒーを飲んでも動悸がしないからといって、コルチゾールが出ていないとは限りません。一日を通してどれくらいのカフェイン量を摂取しているか、今一度見直してみましょう。
まずは生理前だけでも抜いてみよう
PMSを何とかしたいとお考えであれば、まずは生理前後の2週間だけカフェインを抜いてみてください。
もともとは私も、生理前後2週間だけのつもりでカフェインを抜いてみました、ですが、生理が終わってから待ちに待ったコーヒーを解禁したら、すごい動悸がするようになってしまったのです。おまけに頭痛まで。
それで、体にどれだけ刺激が強いものを入れていたんだなと思わされました。そして徐々にコーヒー自体飲めなくなってしまったのです(笑)今は、副腎サポートの働きのあるマッシュルームコーヒー以外は飲みません。
コーヒー中毒ぎみな方には、頭痛や渇望感などの禁断症状も現れるかもしれません。最初の数日間は辛いですが、段階的に抜いてみてはいかがでしょうか。
例えば、まずはコーヒーからマテ茶や緑茶に変える。それができたら、徐々にハーブティーにシフトしていく。
もしくは、毎日3杯飲んでいたのを2杯に、それが1週間出来たら、毎日1杯に。それができたらコーヒーのかわりに高カカオチョコレートをひとかけら(ポリフェノールもたっぷり!)。などなど、いかがでしょうか?
最初から完全に抜こうとすると、挫折してしまいます。
自分でもありえないと思うくらい小さな一歩からでもいいのです。3杯を2杯にするのもキツいなら、3杯目は少し残して捨てるとかでもいいのです(笑)それでも立派な第一歩です。
といった具合で少しずつ、カフェイン断ちをしてみてください。
世の中の飲み物はなにもカフェイン入りのものだけではありません。これを機に、美味しいハーブティーを発掘する機会にしてみては?
ではでは、カフェインの摂取量を見直して、もっともっと健康に!
▼コーヒーの替わりにこんなものを飲んでみては?
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