ホルモン

元不眠症がお伝えする夜ぐっすり眠るためにできる10のこと

元不眠症がお伝えする夜ぐっすり眠るためにできる10のこと-yumiid.com

元不眠症がお伝えする夜ぐっすり眠るためにできる10のこと-yumiid.com

私は昔、不眠症にかかったことがありますが、今では床につくと30秒で寝てしまいます(本当に文字通り、のび太と争えるレベルです)。不眠症になったのは海外留学をしていた時で、狭い4人部屋での寮生活に慣れなかったのでしょう。周りがみんな寝静まった後に、一人だけ目がギンギンで寝付けず、色々なこと(大概ネガティブなこと)に思いを巡らしてしまったりして、辛かったのを覚えています。やむ終えずかかりつけの医者で睡眠薬を処方してもらったりしていました。そして逆に睡眠薬が効きすぎてしまい、朝8時からの授業では半分居眠り状態でした。

過去に不眠症だった私がいかにのび太くん級の眠りを手にいれたか(笑)。良質な眠りを手にするために実践したこと(していること)をご紹介したいと思います!

眠りに関わるホルモン:コルチゾールとメラトニンについて理解しよう

まずは、眠りに大きく関わっている、コルチゾールとメラトニンというホルモンについて知っておく必要があります。

コルチゾール
朝、目覚めると共に分泌される日中のホルモン。副腎皮質から出されるステロイド系のホルモンで、ストレスを感じると分泌され、血圧や血糖値を上げる。
メラトニン
眠りを促す夜のホルモン。太陽が沈むと分泌され始め、午前2時にピークを迎える。体温を下げたり、眠気を促したりする、安眠には欠かせないホルモン

人間の体は、朝起きるとコルチゾール値が自然に上がってきて、体と脳を覚醒させてくれます。日が暮れるとコルチゾールは下がり、メラトニンが分泌されはじめます。

このように、24時間周期で睡眠・覚醒を繰り返すことを概日リズム(circadian rhythm・サーカディアンリズム)と呼び、メラトニンとコルチゾールの値もこのリズムに則って変化していきます。

概日リズム・サーカディアンリズム, circadian rhythm

夜ぐっすり眠るには、コルチゾールを下げて、メラトニンを上げる必要があります。ところが、残念ながら現代人の生活には、コルチゾールを上げまくり、メラトニンを下げまくってしまう要因が五万とあるのです!不眠の原因の大半は、コルチゾールが上がりすぎているためと言えます。

どのようにしたらこの二つのホルモンを上手くコントロールして、睡眠をハックできるのか、見ていきましょう!

1.朝起きたら太陽の光を浴びる

上のグラフの通り、朝にはコルチゾールの値が高くある必要があります。コルチゾールは日の光を浴びると分泌量が増えるので、目覚めたらまず窓を開けて、少しでも日光を浴びるようにしましょう。コルチゾールの分泌は朝6時から8時がピークと言われており、(季節と地域によりますが)日の出と一緒に上がっていき、その後徐々に下がっていきます。

また、朝日を浴びると、メラトニンが約15時間後に分泌されるように、体内時計が設定されます。人間の体は、本当に太陽と同じリズムで変化していくようにできているんですね!

私が以前住んでいたマンションは高速道路の脇に建っていたので、東南向きなのにほとんど朝日が当たらず。その時の睡眠状態といったら最悪でした・・・

ちなみに「天気の悪い日にはなぜやる気がでないのか」でも書いた通り、日光を浴びると皮膚でビタミンDが合成されます。ビタミンDも、質の良い睡眠には欠かせない栄養素ですよ!

2.夜寝る1時間前はブルーライト(スマホ、PC、テレビ)から離れる

スマホやパソコン、テレビなどのスクリーンから放出されるブルーライトは、太陽の光に限りなく近いとされています。ですので、脳は日中と勘違いして、コルチゾールの値を上げるように副腎に指令を出してしまいます。そしてコルチゾールが上がると、睡眠ホルモンのメラトニンは引っ込んでしまいます。

だから寝る1時間前には、ブルーライトを発するデバイスから遠ざかるべし!これは本当に大きいので、ぜひとも今日から試してほしいことです!これをやるかやらないかで、睡眠の質と次の日の疲れ具合が全く違います。

バイブが気になってスマホをついつい見てしまうようであれば、寝る1時間前に自動で「お休みモード」に切り替わるように設定すると良いです。詳しい設定の方法はこちらで詳しく説明しています。

ベッドにまでスマホを持ち込んで、いじりながら寝るのを習慣にしている人には考えられないことかもしれませんが、スマホから離れてもできることって意外と沢山ありますよ!例えば、お風呂に入る、ストレッチやマッサージをする、紙の本を読む、明日の準備をする、家族との時間を持つ、などなど。

私も昔は寝る直前までスマホやPCから目が離せなかったのですが、今では寝る1時間前は自分と家族との時間と決めています。自分の体のケアをしたり、本を読んだりすることで、自己成長にもつながるし、なによりぐっすり眠れてすっきり目覚められるようになったので、一石二鳥です!仕事などでやむ終えない時は、スクリーンを一番暗くして、ブルーライトカットメガネをかけています。

寝る直前までスマホを使ってても寝付きいいもん!というそこのあなた。

寝る直前までスクリーンを使っていると睡眠の質が下がるという研究結果が山ほどあります。睡眠にはレム睡眠(体の眠り)とノンレム睡眠(脳の眠り)があるという話を以前書きましたが、スクリーンを夜遅くまで使っていると、深い眠りに入るのに通常より時間がかかってしまうそうです。ということは、その時に行われるべき体のリペアが行われないということ。これが免疫力の低下、頭痛、不眠症、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな疾患につながっているのです。

また、寝付けないからといって、スマホやテレビを絶対に見ないで!!コルチゾールが出て、余計眠れなくなってしまいますよ。

3.夜は部屋を暗くする

これもスマホと同じ理由ですが、明るい部屋の光でもコルチゾールの分泌が促され、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。目の網膜には光を感知する光受容体(photoreceptor)がありますが、実はわたしたちの皮膚にも備わっています。だから、明るい光の中にいると皮膚や目が光を感知して、脳に「昼間だよ」というサインを送ってしまいます。

考えてみれば、人類の歴史で電気が普及し始めたのはつい2世紀ほど前のこと。それまでは、夜に部屋を明るくする手段はろうそくぐらいしかなかった。日が暮れると皆大人しく眠りに入っていたんですよね。

夜は蛍光灯を使うのはやめて、照明は暗めにしたり、間接照明をつけるようにしましょう。

夜寝れないからと言って蛍光灯チカチカのコンビニに言って立ち読みするなど、もってのほかですよ!
どのくらい暗くすればいいのか。明るさはルクス(照度)で表しますが、メラトニンの分泌が阻害されないレベルは、500ルクス以下と言われています。参考まで、日々接する機会のある光のレベルは下記の通りです。

晴天の日中の野外:10,000~20,000ルクス
コンビニ、スーパーなど:1500~1800ルクス
一般家庭の室内(夜間): 500~700ルクス
*睡眠健康大学より

リビングや寝室に照明を切り替える機能があれば、夜は少し落とすようにしましょう。部屋に蛍光灯しかないという場合は、間接照明に切り替えるとか、電気の周りにマスキングテープを貼って照度を抑えるなど、色々な工夫をしてみましょう!

4.寝室を真っ暗にする

これも3と同じ理由で、寝室に少しでも光源があると、皮膚の光受容体が光を読み取り、脳に「昼だよシグナル」を送ってしまいます。結果、睡眠の質が下がってしまうんですね。

寝るときに豆電球などをつけている場合は、消して真っ暗にしてみてください。それから、遮光カーテンを使うと良いです。昼間でもカーテンを閉じると昼か夜かわからないくらいが理想です。また、アイマスクをして寝るのもいいと思います!

5.寝る3時間前までに食事を済ませる&食べすぎない

これは遅くまで仕事をしている人だと難しいことかもしれませんが、寝る時に胃に食べ物が入っていると、体は消化にエネルギーを使ってしまいます。食べ物が胃から腸に移動するのには2、3時間かかるので、少なくとも寝る3時間前までに夕食を済ませ、かつ食べすぎないのが理想です。

また、食べ物を食べた後に、インシュリンと組んで消化活動をする「Cペプチド」というアミノ酸の構成分子が、メラトニンの分泌を阻害してしまいます。

また、これも耳の痛い話ですが、アルコールもノンレム睡眠を短くしてしまうので、飲むのであれば寝る3時間前に切り上げたいところです。お酒を飲んだほうが入眠しやすいと言う人もいますが、深い眠りに入れず、この間行われるべき新陳代謝が阻害されてしまいます。安眠を得たいのであれば、深酒は避けるべし!

6.夜にケールの青汁を飲む

ケールはメラトニンが多く含まれている食品の一つです。メラトニンは他にも、コメ、オーツ麦、トウモロコシ、バナナ、クルミ、生姜などにも含まれていますが、ケールがダントツ。

ケールは普通のスーパーだとなかなか売ってなかったりしますよね。そこで手っ取り早くケールを摂取できるのが青汁。ちなみに私はここのブランドのを飲んでいます。

最初は癖があって飲みづらいと感じるかもしれませんが、意外と慣れるものです(笑)。

本物のケールが手に入る環境であれば、グリーンスムージーにして飲んだり、油で炒めたりすると美味しく食べられますよ!茎は固いので、細かく切って味噌汁に入れたりしています。後はココナッツオイルと塩をまぶしてオーブンに入れるだけでケールチップが出来て、美味しいです。

7.カフェインは寝る6時間前までに

カフェインを摂ると、コルチゾールの分泌が促されるため、メラトニンの分泌を阻害します。寝る前にコーヒーを飲んでも寝れるという人はいますが、これもアルコールと同様、ノンレム睡眠の時間を短くしてしまいます。つまり脳がしっかり休まらないということです。

夜には睡眠を助けてくれるカモミールやラベンダーなどのハーブティー、またはどうしても飲みたいときはディカフェコーヒーを選ぶようにしましょう。

ディカフェでもカフェインは多少含まれているので、飲みすぎにはご注意!

また、チョコレートや清涼飲料にもカフェインが大量に含まれています。夜には控えるようにしましょう。

8.部屋を涼しくする

寝ている時は、起きている時よりも体温が低い状態にあります。よく、お風呂に入って体を温め、体温が下がってきたときに布団に入るとぐっすり眠れると言いますよね。それと同じで、部屋が暑い状態だと体温が下がらず、入眠が妨げられてしまいます。

エアコンをつけたまま寝るのが嫌いという人は多いかもしれませんが、寝つきが悪かったり、夜中に起きてしまうようであれば、ためらわずに部屋を涼しくして寝ましょう。

ブランケットを掛けるのをお忘れなく!

9.朝運動する

ある研究では、朝7時・午後1時・夜7時の3つのグループに分け、週3回30分の運動を行ってもらい、それぞれの睡眠パターンを調べたところ、朝7時に運動をするグループの眠りが最も深いことがわかったそうです。

また、運動をするとコルチゾール値が上がり、体温も上昇します。睡眠にベストなコンディションは、低いコルチゾールに低い体温。健康のために夜に運動しても、睡眠の質が下がっては逆効果です。なぜなら、筋肉が修復されて成長するのは運動している最中ではなく、熟睡している間だからです。24hオープンのジムが増えてきているとはいえ、深夜のジムは控えた方がよさそうですね・・・。

朝にそんな時間がないという人でも、ちょっとした筋トレや、エスカレーターではなく階段を使うなど、少しの工夫で活動量を増やすことができると思います。起きている間の活動量を増やせば、夜は自然に疲労感が増し、心地よい眠りに誘ってくれるものです。

ちなみに同じ運動でも、ヨガは正しく行えばコルチゾールを下げることが知られています。また、定期的に練習を続けると、メラトニンを上げてくれるという研究もあるそうです。

私もヨガをするようになってから、非常に寝付きが良くなったと感じています。ヨガは力を抜く・入れるを繰り返してゆくので、リラックスするのが上手くなったのかもしれません。

慢性不眠の方にはぜひオススメしたいです。

10.ラベンダーのアロマを嗅ぐ

ラベンダーの香りは高いリラックス効果があることで知られていますよね。それもそのはず、ラベンダーに含まれている酢酸リナリルは、交感神経の興奮を鎮めてくれます。

植物療法士・森田敦子さんの著書「自然ぐすり」によると、ラベンダーの精油をアロマディフューザーで焚いて、蒸気として吸い込むことで、脳に直接働きかけることができるとのこと。また、ラベンダーの精油は直接お肌に塗ることができるので、こめかみにつけたり、首元をマッサージするのも有効だとか。

私もラベンダーの精油は枕元に置いて、寝れないときは枕に少ししみこませたり、アロマブロックにつけて香りを楽しんだりしています。

ナチュラルアポセカリー(自然薬局店)として老舗の、ニールズヤードのラベンダーエッセンシャルオイルは、オーガニックなので安心だしおすすめです!

とまあずいぶん長くなってしまいましたが、不眠でお困りであれば、今日からぜひ実践して、のび太君級の眠りを手に入れてくださいね♪

nobitakun

【参考文献】
Huffinton Post: Low on Vitamin D, Sleep Suffers
http://www.huffingtonpost.com/dr-michael-j-breus/low-on-vitamin-d-sleep-suffers_b_9332008.html
Science Direct: Light level and duration of exposure determine the impact of self-luminous tablets on melatonin suppression
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003687012001159
睡眠健康大学
http://sleep-col.com/寝室の光活用重視を/
The Model Health Show: Sleep Problems? Here’s 21 Tips To Get The Best Sleep Ever
http://theshawnstevensonmodel.com/sleep-problems-tips/
Sarah Gottfried MD: 5 FAQs about Yoga and Hormones: Yoga Changes Your Adrenaline, Cortisol, and Melatonin
http://www.saragottfriedmd.com/5-faqs-about-yoga-and-hormones-yoga-changes-your-adrenaline-cortisol-and-melatonin/

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