こんにちは!ヘルスコーチのYUMI(@yumiid/@you_me314)です!
私たちは、脂肪と聞くと何か悪いもののように考えがちですよね。
お腹や脚についた脂肪は、一刻も早く葬り去りたいものです(笑)。
でも実は、全ての脂肪細胞は同じではないということはご存知でしょうか。
白色をしている白色脂肪組織と、褐色または茶色の褐色脂肪組織とで役割が違うのです。
白色脂肪組織は、いわゆるお腹や脚についてしまうあのたぷたぷの脂肪です。
一方で、褐色脂肪組織は体を温め、熱を発する脂肪組織です。
要するにエネルギーを消費して、私たちの考える「悪い脂肪」を燃やしてくれるのです。
なに?!そんな脂肪があったならつけたい!!
私の脂肪細胞は白色?褐色?
どうやったら褐色脂肪組織を増やせるの?!
と思いますよね。
しかも、筋肉を増やすには筋トレなどの運動が必要ですが、褐色脂肪は運動なしでも増やすことができるのです。
それは運動嫌い派には嬉しい話!
詳しく見ていきましょう。
脂肪を燃やす脂肪?!褐色脂肪組織って何?
白色脂肪と褐色脂肪の違いとは?
白色脂肪は私たちが知っているいわゆる脂肪で、お腹や脚、お尻や腕につくアレです。白色脂肪の役割はエネルギーを蓄えることですが、つけすぎると当然のごとく肥満につながります。特に体幹まわりに付く白色脂肪は、心臓病や糖尿病をはじめ、さまざまな疾患のリスクを高めてしまいます(1)。
一方で褐色脂肪とは、熱を発する脂肪細胞です。白色脂肪よりも粒が小さく、狭いスペースにエネルギーを蓄えることができます。褐色または茶色をしているのは、鉄分を多く含むミトコンドリアが詰まっているためです。
褐色脂肪は白色脂肪のように「震え」を起こすことなく熱を発することができます。つまり、ブルブル震えなくても体を暖かく保ってくれるのです。これを「熱発生(thermogenesis)」と言います。
赤ちゃんや冬眠中の動物は褐色脂肪を多く蓄えることで、体幹温度を高めます。現に、赤ちゃんはブルブル震えることがなくても暖かいですよね。
褐色脂肪組織は赤ちゃんのうちに多く、大人になったら消えていくと思われていましたが、最近の研究では大人にも首や肩周りに少量残っていることが分かってきたのです。
褐色脂肪組織は「熱発生」のプロセスでエネルギーを消費します。
つまり、カロリーを消費してくれる脂肪なのです。
褐色脂肪組織は糖代謝と脂質代謝を良くしてくれるため(2)、糖尿病の改善に効果的なのではないかと考えられています。近年では糖尿病の治療のため、褐色脂肪組織を増やす薬の研究も進められています(3)。
褐色脂肪はどうやったら増やせるの?
カロリーを消費する脂肪?!そんなのあるなら増やしたい!!と思いますよね。
筋肉も、存在しているだけでカロリーを消費してくれる最強のダイエットスーツのようなものなので、私は筋トレを勧めていますが、脂肪で同じことができるならそれほしい!!と運動嫌い派は目を輝かせているかもしれません(笑)。
褐色脂肪を増やすには主に2つの方法があります。
その1:寒い思いをする
褐色脂肪を増やす一番手っ取り早い方法は、寒いところに身を晒すことです。
ある研究によると、室温を19℃に設定して夜を過ごすと、24℃の時に比べて約5%もエネルギー消費が増えていたことがわかりました(4)。つまり、1日の消費カロリーが2000kcalの人なら、じっとしていても100kcalも多く消費するということです。
部屋の温度を下げただけなのに、なんだかお得な感じがしますよね(笑)。
これは、体が気温の低下に適応しようと褐色脂肪が活性化し、熱を発するためです。
寒冷療法(Cold Therapy)も効果的とされています。日本でも古くから伝統的に行われている寒中水泳や水風呂も褐色脂肪を活性化させて、カロリーを消費してくれるんですね。
最近、俳優のオーランドブルームもこんな氷風呂に入っているところをインスタグラムで公開していました。寒冷療法は他にも傷の治癒を早めたり、パフォーマンスアップが期待できることから、近年注目を集めています。
とはいえ、「じゃあ今日から寒中水泳だ!!」といきなり川や海に飛び込むのはやめましょう(笑)。心臓麻痺の危険性がありますのでね。
お風呂から出た後に脚に冷たいシャワーをかけるとか、そういうところから始めてみてはいかがでしょうか。
また、短時間低温に晒されることで褐色脂肪を活性化することができ、長期間続けると褐色脂肪の量を増やせることが分かっています。
その2:運動をする
やはり運動強し、ですね。
私は寒いのは嫌なので、運動で褐色脂肪を増やしたい派です(笑)。
筋肉から分泌されるホルモンで、イリシン(FNDC5)というものがあります。イリシンは、白色脂肪を褐色脂肪に変えてくれるのではないかといわれています(5)。
だから、運動をする人よりも、あまり動かない人の方がイリシンは少ないのです。
イリシンは筋肉量を増やすことで増加させることができますが、最も効果があるのが高強度インターバルトレーニング(HIIT/High Intensity Interval Training)です。
HIITはダッシュなどの高強度な動きを短時間行った後、短い休みを入れる、というのを繰り返すトレーニングです。ランニングなどの長距離走よりも短時間で脂肪を燃やすことができ、最大心拍数や肺活量もアップさせてくれるため、近年注目されているトレーニング方法です。
ある研究では、HIIT(4分バイクダッシュ+3分の休み×4セット)をおこなったグループの方が、45分間のランニングをおこなったグループよりもイリシンが増えていたことがわかりました(6)。
4分バイクダッシュはキツイですが、例えばこんなトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?
- 50mダッシュ⇒歩いて戻る を10セット
- ジャンプスクワット20秒+10秒休み を8セット
などなど。
HIITは短時間で効率よく鍛えられるので、私もよく取り入れています!
褐色脂肪がどれくらいあるのかどうやったらわかるの?
じゃあ自分はどれくらい褐色脂肪があるのか知りたいですよね!
残念ながら、詳しい褐色脂肪組織の量はPETスキャンを使わないと分かりません。PETスキャンは10万円前後するので、気軽には受けられませんよね。
褐色脂肪が多い人の傾向としては、やせ型の人、そして若い人など。また、男性より女性の方が活性化された褐色脂肪が多いといわれています。
元々褐色脂肪が多いタイプの人も存在するようで、どういった遺伝子構成からそうなるのかについては、まだまだ研究が進められています。
とはいえ、寒いところに身を晒し、運動をすることで褐色脂肪を増やせることが分かっていますので、寒くなるこれからの季節、トライしてみてはいかがでしょうか!
ではでは、褐色脂肪を増やして、もっともっと健康に!
1. Brown NK, et al. Perivascular adipose tissue in vascular function and disease: a review of current research and animal models.
2. Matthias J. Betz1 and Sven Enerbäck. Human Brown Adipose Tissue: What We Have Learned So Far
3. Mukherjee J, et al. Classification of Therapeutic and Experimental Drugs for Brown Adipose Tissue Activation: Potential Treatment Strategies for Diabetes and Obesity.
4. Paul Lee, et al. Temperature-Acclimated Brown Adipose Tissue Modulates Insulin Sensitivity in Humans
5. Jorge Iván Castillo-Quan. From white to brown fat through the PGC-1α-dependent myokine irisin: implications for diabetes and obesity
6. Mark P. Jedrychowski, et al. Detection and Quantitation of Circulating Human Irisin by Tandem Mass Spectrometry
Healthline. Brown Fat: What You Should Know
Men’s Journal. Everything You Need to Know About Brown Fat