前回の記事「大地を守る会(旧:大地宅配)を2年間使っている私がお野菜宅配サービスをおすすめしたい理由」でも書いたように、農薬を長期にわたって取り続けると、さまざまな不調や疾患の原因になることがあります。
なのでできるだけ農薬を避けたいものですが、有機野菜にこだわりだすと、「すべて有機・オーガニック栽培の野菜じゃなきゃいけないんじゃないか?!」「有機じゃないと食べちゃいけない!!」と思い始めてしまいますよね。
そうできたらいいものの、有機・オーガニックの野菜は入手しにくかったり、農薬を使っている野菜の2、3倍の値段することも。全て有機野菜を選んでいたら、とてもじゃないけど家計が持たない!!
そんな私たちに朗報です。
食品の安全性を調査・注意喚起するアメリカのNPO団体「EWG」が、農薬の影響を最も受けやすい「Dirty Dozen(ダーティーダズン)」と、農薬の影響を受けにくい「Clean Fifteen(クリーンフィフティーン)」を毎年発表しています。
もちろん全て有機栽培のものを買う余裕があればよいですが、多くの消費者にはその余裕がありません。なので、有機を買う時は「Dirty Dozen」に入っているものを優先し、「Clean Fifteen」リストにあるものはさほど神経質になる必要はない、といった具合で予算を配分することを推奨しています。
EWGはアメリカの基準で審査しているので、日本の現状と異なる部分もあると思いますが、日本の食料自給率は38%。その多くをアメリカからの輸入に頼っています。
日本に住む私たちも、参考にできるところもあるのでは?
それでは「Dirty Dozen」と「Clean Fifteen」を見ていきましょう!
残留農薬の多い野菜・果物リスト「Dirty Dozen(ダーティーダズン)2018」
1位:いちご
1個のテスト対象のいちごサンプルにつき、なんと22種類の残留農薬が検出された。
農薬を使って育てられたいちごのうち、3分の1のサンプルから10種類以上の残留農薬が見つかった。
2位:ほうれん草
農薬を使って育てられたほうれん草のサンプルのうち、97パーセントに残留農薬が含まれていた。
神経毒性のある殺虫剤「ペルメトリン」が高い濃度で検出された。
3位:ネクタリン
※日本では見慣れない野菜ですが、スモモようなフルーツです。
94パーセントのネクタリンのサンプルに2種類以上の農薬が含まれていた。
サンプルの1つには15種類以上もの残留農薬が見つかった。
4位:りんご
農薬を使って育てられたりんごのうち、90パーセント以上から残留農薬が検出された。
ヨーロッパでは禁止されている農薬「ジフェニルアミン」が80パーセントのサンプルに含まれていた。
特にアメリカ産のりんごを買う時は、オーガニックのものを買うようにしましょう!
5位:ぶどう
調査対象のぶどうのサンプルに、平均して5種類の残留農薬が含まれていた。
農薬を使って育てられたブドウの96パーセントから残留農薬が検出された。
6位:桃
農薬を使って育てられた桃の99パーセントから残留農薬が検出された。
平均して4種類の農薬が見つかった。
7位:さくらんぼ
農薬を使って育てられたさくらんぼから、平均5種類の農薬が見つかった。
30パーセントのさくらんぼにヨーロッパでは使用禁止の殺虫剤「イプロジオン」が含まれていた。発がん性があるとされている。
8位:洋梨
洋梨からは、殺虫剤や殺菌剤などがかなり高い確率で検出された。
テスト対象となった半分以上の洋梨に、5種類以上の農薬が残っていた。
9位:トマト
農薬を使って育てられたトマトから、平均して4種類以上の農薬が見つかった。
サンプルの中には、15種類以上もの農薬が検出されたものもあった。
10位:セロリ
農薬を使って育てられたセロリのサンプルの、95パーセント以上から農薬が検出された。
13種類以上含まれているものもあった。
11位:じゃがいも
農薬を使って育てられたじゃがいもは他の農産物に比べて、重量的に最大の農薬量が検出された。
ほとんどがクロルプロファム。長期にわたる多量の摂取は赤血球を減らし、貧血の原因となることがある。
12位:ピーマン
農薬を使って育てられたピーマンのサンプルの、90パーセント以上から残留農薬が見られた。
ピーマンはDirty Dozenリスト内の他の農産物よりも残留農薬の数は少なかったが、それでも人体には害を与えるレベルといえる。
残留農薬の少ない野菜・果物リスト「Clean Fifteen(クリーンフィフティーン)2018」
1位:アボカド
テスト対象のアボカドで農薬が検出されたのは1パーセント以下だった。
360個のアボカドサンプルの中から、たった1種類の農薬しか見つからなかった。
2位:とうもろこし
テスト対象のとうもろこしで農薬が検出されたのは2パーセント以下。
3位:パイナップル
農薬を使って育てられたパイナップルでも、90パーセントからは農薬が全く検出されなかった。
350個のテスト対象のパイナップルから検出された農薬はたった5種類。
4位:キャベツ
700個以上のテスト対象のキャベツのうち、農薬が1種類以上検出されたのは2個のみ。
86パーセントのサンプルからは農薬が検出されなかった。
5位:玉ねぎ
農薬を使って育てられたたまねぎのサンプルでも、残留農薬が検出されたのは10パーセント以下。
それも3種類以上は検出されなかった。
6位:冷凍グリーンピース
農薬を使って育てられた冷凍グリーンピースでも、約80パーセントからは農薬が検出されなかった。それも2種類以上の農薬が検出されたサンプルはなかった。
なぜ冷凍なのかは謎だけれど・・・
7位:パパイヤ
農薬を使って育てられたパパイヤでも、80パーセントからは農薬が検出されなかった。
テスト対象となった750個のパパイヤのうち、3種類以上の農薬は検出されなかった。
8位:アスパラガス
農薬を使って育てられたアスパラガスでも、90パーセントからは農薬が検出されなかった。
3種類以上の農薬が検出されたものはない。
9位:マンゴー
テスト対象のマンゴーのうち78パーセントからは農薬が検出されなかった。
USDAのテストでは、農薬を使って育てられたマンゴーでも2種類以上の農薬は見つからなかった。
10位:ナス
テスト対象となった農薬を使って育てられたナスのうち、4分の3からは農薬が検出されなかった。
残りからも3種類以上の農薬は検出されなかった。
11位:ハニーデューメロン
※日本ではなかなか見られませんが、ツルっとした瓜のようなメロンです。
農薬を使って育てられたハニーデューメロンでも、約半数からは残留農薬は見つからなかった。
4種類以上の農薬が見つかったサンプルはない。
12位:キーウィフルーツ
テスト対象となったキーウィのうち、65パーセントからは農薬は検出されなかった。
農薬を使って育てられたキーウィでも、6種類以上の農薬が検出されたものはない。
13位:カンタロープメロン
農薬を使って育てられたカンタロープメロンでも、60パーセントからは農薬が検出されなかった。
1種類以上の農薬が見つかったのは10パ―セントのみ。
14位:カリフラワー
農薬を使って育てられたカリフラワーでも、約半数には残留農薬は見られなかった。
3種類以上の農薬が見つかったサンプルはない。
15位:ブロッコリー
70パーセントのブロッコリーのサンプルからは残留農薬は見つからなかった。
1種類以上の農薬が見つかったのは10個中1個のみ。
まとめ
リストにして見てみると、
残留農薬の多い農産物に共通している点は、
・皮で覆われていない、または皮が薄い
・葉野菜
また、残留農薬の少ない農産物に共通している点は、
・皮に厚みがあってしっかりしている
であるようです。
個人的には、ほぼ毎日食べているアボカドがクリーンリストのトップで嬉しいです♪
今後、野菜や果物を選ぶときには参考にしてみてくださいね!
でも時には神経質にならずに、食べたいものを楽しむことも大切です。
神経質になったストレスの方が、農薬からくる健康デメリットよりも大きいことがありますから。
EGWも、農薬を使った野菜や果物でも、気にして全く食べないデメリットは食べるメリットを上回るといっています。農薬を使っていても食物繊維は摂れるし、特定の栄養素は農薬を使っているもののほうが有機よりも高い場合があります。
ということで、有機野菜を賢く選んで、もっともっと健康に!
EWG. Dirty Dozen 2018™
EWG. Clean Fifteen 2018™
農林水産省. 日本の食料自給率
農林水産省. 知ってる?日本の食料事情~日本の食料自給率・食料自給力と食料安全保障~
e-Stat. 2016年農林水産物輸出入統計
Photo courtesy of EWG