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新種の摂食障害オーソレクシア(orthorexia)―健康への病的なこだわり

新種の摂食障害オーソレクシア(orthorexia)―健康への病的なこだわり

新種の摂食障害オーソレクシア(orthorexia)―健康への病的なこだわり

こんにちは!ヘルスコーチのYUMI (@yumiid/@you_me314)です。

オーソレクシア(orthorexia)って聞いたことありますか?

オーソレクシアは、健康的な食事にこだわるあまり、不健康的と思われる食べ物を極端に避けたり、特定の食べ方に固執してしまうことです。しまいには栄養不足になったり、社会的に孤立してしまうことがあります。

いわゆる健康オタクの行き過ぎです。無農薬やオーガニック、ベジタリアンやマクロビなどにこだわり、それ以外のものは体に毒だとして、そういったものが出される場所には行かなくなります。友人との食事も楽しめなくなっていきます。ヘルスブームが加速する中、そんな状態に陥ってしまう人が増えており、度が過ぎると一種の摂食障害として、近年注意喚起されています。

POINT

拒食症(アノレクシア)は食べ物の「量」にこだわる

オーソレクシアは食べ物の「質」にこだわる

新種の摂食障害オーソレクシアについて知ろう

あなたは大丈夫?オーソレクシアの兆候チェック

健康的な食生活をしようとすると、これもダメ、あれもダメ、となってしまいがちです。知らず知らずのうちに食べられないモノが増えて、人との食事さえも楽しめなくなっていませんか?

こんな行動はオーソレクシアの兆候です。

  • オーガニックや無農薬のものでないと食べない
  • 自分が「よし」とする食べ物以外は受け付けない
  • 自分が「よし」とする食べ物以外を食べてしまったとき、自己嫌悪や不安を感じる
  • 病気や不調が起こらないように常に心配している
  • 特定の食品群を排除しており、それからできる限り遠ざかりたいと思う
  • 排除している食品群を食べている人を見かけるだけでも嫌悪感を感じる
  • 健康に気を遣うあまり、食べられるものが極端に限られてしまっている(10種類以下など)
  • 体重低下または栄養失調
  • サプリメントを多用して食事の代わりにしている
  • 調理法、洗い方や食器などに病的にこだわる(肉を一度でも調理したフライパンは使わないビーガン、電子レンジで温めた食べ物は口にしない、など)
  • 持ち寄りの集まりなどの時に、自分で用意した「健康的」な食べ物以外は口にしない

オーソレクシアの問題点

健康的な食生活をしているならいいじゃないか、と思うかもしれませんが、オーソレクシアの問題点は「強迫観念」に駆られているということです。
より良い状態の自分でいたいというポジティブな思いからではなく、これを食べたら体にとって害である、というネガティブな思考から行動が起こっているのです。

オーソレクシアはOCD(強迫性障害)の一種でもあります。OCDは、恐怖に駆られてある特定の行動に固執することをいいます。潔癖症などもOCDの一種です。

自分が「よし」とする食べ物以外は不純と考えてしまうということは、それ以外の食べ物は「害」だと認識しているということ。まるで自分がいつも外敵に囲まれているかと同じ状態です。それは、体にとってはかなりのストレスになります。

ストレスを感じるとコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが出ますから、体は逃走・闘争反応(fight-or-flight response)を起こしています。これは、クマなどの猛獣に襲われたときに、力の限り戦ったり逃げたりすることを可能にします。コルチゾールやアドレナリンは血圧や血糖値を上げ、息を荒くし、一時的にエネルギーをUPさせるので、クマと戦う準備OKな状態にさせてくれます。

極端な例に思われるかもしれませんが、体が起こす反応は、クマに襲われているときと、マクドナルドしか食べるものがなかった時にオーソレクシアの人が感じるストレスと、多かれ少なかれ一緒になのです。

また、自分が許せるもの以外は食べられなくなるので、気軽な外食もできなくなります。しだいに交友関係が希薄になり、社会的に孤立していってしまいます。これもまたストレスになります。

このように、食事を完璧に管理して得られるメリットよりも、ストレスによるデメリットの方が大きくなってしまうことが、オーソレクシアが「摂食障害」とされる理由です。

そういう私もオーソレクシアちっくになる時はある

私はベジタリアンだ、ビーガンだ、パレオだ、ケトン食だ、といった風に、自分の食生活に名前を付けないようにしています。なぜかというと、そうすることで自分を縛ることになるからです。

しいて言うならホールフーディスト(加工品ではなくて食べ物のままの形をしている食べ物(whole foods)を好んで食べる)ですが、必要あらばパッケージに入ったものも食べます。パレオ食にも近いですが、米も豆類も食べるので完全には当てはまりません。

でも、ニキビを治そうとしていた時にちょっとオーソレクシアっぽくなったことがあります。
当時は砂糖、グルテン、乳製品を徹底排除した食生活を送っていました。また、体内に入るとエストロゲンのような働きをして、ホルモンバランスを崩すものになるべく近づかないようにしていました。例えば、農薬やプラスチック、日用品に含まれる化学品などです。スーパーでもらうビニール袋やレシートにもホルモンバランスを崩すBPAなどが含まれていると聞いて、一時期はそういったものですら触るのを嫌がっていた時期があります。

思えばあの時は行き過ぎていました。おそらく、「この食品大丈夫だろうか?」といちいち心配する心理的ストレスの方が、完璧な食生活をするメリットよりも大きかったと思います。しまいにバカバカしくなって、周りの人にも気を遣わせすぎてしまっている気がしたので、ある程度は仕方ないと割り切ることにしました。

それでも、健康になるために特定の食品を抜くのはアリだとは思います。グルテン不耐症もリアルにあるし、そのほかのフードアレルギーも、多くの人が経験している不調と関連していると思います。

でもストレスになるまでこだわりつくすのであれば、それは病気です。

健康に気を付けるのは、本来は自分が心地よくいるため。それなのに、気を付けすぎてストレスになるようであれば、自分の健康をむしばんでいるのと同じです。

現代社会で生きている限り、完全に「クリーン」でいるのは無理です。ある程度のことは、自分の体に備わった消化力や解毒力を信じて、大丈夫と思ってあげればいいのです。

オーソレクシアっぽくなったらどうしたらいい?解決策とは

オーソレクシアは真面目な人が陥りやすいものです。「こうしなければならない」という柔軟性に欠ける考え方が、何よりも自分を苦しめてしまいます。もっとゆるく考えていいのです。

健康的な食生活は大いに取り入れるべきです。でも強迫観念に駆られてすべきではないと思います。

健康に興味をもって色々調べだすと、色々な人が色々なことを言っているのに混乱するでしょう。これもダメ、あれもダメ、と制限していくと、オーガニックの野菜しか食べられなくなったりします。そうするとビタミンB12や鉄などの栄養素が不足するし、経済的にも負担が増え、人との食事も気軽にできなくなります。

全てのアドバイスがあなたの体に合うとは限りません。皆それぞれ体のつくりやコンディションは違いますから。健康アドバイスの何を取り入れるべきかは、本当にバランスの難しいところです。

でも、私たちには肝臓という解毒システムが備わっています。正常に機能していれば、ある程度の毒素は排除してくれる機能を持っています。

また、普段血糖値を上げない食事を意識していれば、インスリン感受性も改善しているはず。たまにスイーツを楽しんだって死にはしません。

とにかくストレスを貯めない範囲で、健康的な食生活をするようにしましょう。

煙草もお酒も吸うし運動もしなけど人生を楽しんでいる人が、食生活も運動もビシっと管理している人よりも長生きするというケースはたくさんあります。
とにかくストレスは体をむしばむのです。

健康的な食生活は、ダッシュ走ではなくマラソン。短期的なダイエットのように1カ月だけやったらおしまいではなく、細く長く続けて、自分のライフスタイルに組み込むべきものです。

だからこそ、自分が心地よいと感じるところでいいのです。

私は今も、血糖値を急上昇させない食事と、グルテンフリーを心がけています。牛乳や添加物も極力避けています。そうしたほうが、良いコンディションの自分でいられて、心から気持ちがいいからです。でも、くれぐれも「そうでなければならない」と考えたり、少しでも小麦や乳製品や添加物を口にしたからといって不安にならないようにしています。ある程度の不完全は、受け入れることが必要です。それに、自分に害だと思って食べると、予想している以上の症状が出ることがあります。プラセボ効果です。

だから、たまにケーキを食べるときなどは、100%楽しむと決めています!普段から食べているわけではないので、そういったものを消化できる自分の能力を信じてあげるのです。もちろん、個人差はありますが。

自分が心地いいと感じる範囲でできる健康改善は何か。あなたに適した落としどころを探ってみて下さいね。

 

では、もっともっと健康に!

 

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