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怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラした時の対処法

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こんにちは!ヘルスコーチのYUMI (@yumiid/@you_me314)です。

日常の中で、イライラしたり怒ったりすることってどれくらいありますか?

仕事で上司や同僚に対してイラついたり、子供が言うことを聞かない時についガミガミ怒ってしまう、という悩みを抱えている人も多いかと思います。

私は最近では、人に対して怒ることは少なくなりましたが、会社で働いていた時はしょっちゅうイライラしたり怒ったりしていました。

自分と反対の意見を言われたり、せっかく努力して進めた案件がボツになったりした時に、カーっとなってしまうことがよくありました。瞬時に息が浅くなって、血圧が上がっていくようなあの感じ。あー、この文章を書いているだけでも血圧が上がってきそうです(笑)

最近では、妊娠のために音に敏感になっているのか、向かいの家がリノベーション工事を始めた時には心底イライラしました。妊婦は臭いに敏感になることが多いですが、私の場合は妙に音が気になって、特に工事音には逃げ出したくなるくらい。普通の人の5倍くらいの音に聞こえていると思います…在宅で仕事をしているのに、なんて迷惑なんだ!と一人プリプリしていました。

イライラや怒りなどのストレス反応は、体によくないことは言うまでもないと思います。不快な感情なので、できれば避けたいですよね。

私のところにも、妙にイライラする、怒りっぽくなってしまう、どうやって感情をコントロールしたらいいのか、というお悩みがよく寄せられます。そこで今回の記事では、怒っているときに体の中では科学的に何が起こっているのか見ていきます。そして、怒りを鎮めるための対処法をご紹介したいと思います。

怒ると体に何が起こるのか

1.脳の情動的な部分が稼働する

前頭前野と偏桃体-怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラしたときの対処法-yumiid.com

まず怒りを感じると、脳内で情動をつかさどる「偏桃体」という部分が真っ先に反応します。偏桃体は脳の中でも原始的な部分で、食欲や性欲など野性的な欲求を処理します。偏桃体は網様体(もうようたい)や視床下部といった部分に指令を送り、ホルモンや呼吸、心拍数、血圧に作用します。

上の図で色を付けた「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分は、理性的な判断をする部分です。怒りを感じると、前頭前野を通り越して、本能的に考える偏桃体に血流が優先されます。

怒りに駆られて、とんでもないことを言ってしまった&してしまったというのは、前頭前野に血流がいかなくなり、一時的に理性的な判断をできなくなるためなんですね。

なぜこういった反応が起きるかというと、脳は怒りを感じると、生命の危機に瀕していると判断するからです。
脳は、嫌な奴に何か言われて怒りを感じた時と、クマに遭遇した時との違いを区別することができないんですね。

そして、偏桃体は闘争・逃走反応(flight-or-flight response)を起こし、血圧と血糖値を上げ、逃げるためまたは戦うために必要なエネルギーを放出します。生き延びるために、考えるよりも行動することを優先するのです。

2.アドレナリンなどの副腎髄質ホルモンが出る

副腎-怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラしたときの対処法-yumiid.com

次に、腎臓の上に乗っている豆のような「副腎」という器官から、副腎髄質ホルモン(カテコールアミンまたはカテコラミン)が分泌されます。副腎髄質ホルモンには、アドレナリンノルアドレナリンなどがあります。

アドレナリンやノルアドレナリンは、一時的にエネルギーを漲らせ、筋肉に血流を送ります。血圧が上がり、心拍数が高くなり、息が荒くなり、体中の筋肉がこわばります。怒ったときにカーっとアツくなるアレです。体はクマ(嫌な奴)と戦う準備をさせるんですね。

3.コルチゾールも出てくる

アドレナリンの威力はそう長くは続かないので、併せて「コルチゾール」というホルモンが副腎(副腎皮質)から出てきます。コルチゾールは、アドレナリンやノルアドレナリンと同じように血圧を上げさせ、筋肉に蓄えられたブドウ糖を血中に運んで、血糖値を上げます。

怒りやイライラが長期化すると、コルチゾールが常に使われている状態になり、副腎が疲れ果てた「副腎疲労」の状態に陥らせたり、ホルモンバランスを崩してしまいます。

慢性的にコルチゾールが高い状態が続くと、やがてはこんな不調や疾患につながっていきます。

・慢性高血圧
・慢性疲労
・ニキビ
・不眠
・鬱
・頭痛
・消化トラブル(便秘、下痢)
・腹回りのお肉
・空腹感
・過食
・生殖機能系のトラブル(生理不順、無月経、PMS、月経痛、不妊)
・糖尿病

また、これらのホルモンが大量に・長期的に分泌されていると、血糖値が常に高い状態になります。その結果、中性脂肪の合成が促されます。中性脂肪は動脈に蓄積し、以下の病気のリスクが上がってしまいます。

・心疾患
・心臓発作
・動脈硬化

怒ることは本当に私たちの健康にとって壊滅的なんですね。
怒る度に、死に一歩近づいているようなものです。

こんな有害な感情を放っておかないで、本気で怒りの対処法を身に着ける必要がありそうですね。
では次に、怒った時の応急措置法をみていきましょう。

怒ってイライラしてしまった時の対処法

1.まず自分が怒りの状態にあることに気づく

アンガーマネジメント-自分を俯瞰する-怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラしたときの対処法-yumiid.com

怒りの感情の中にあるとき、「あ、自分怒っている」と気付くこと。これが、最初のステップとしてとても重要です。

上の図のように、怒りに満ち溢れている自分を俯瞰するイメージです。これができたらもう怒りが収まったようなものです。

でも、怒りの真っただ中にいるとき、冷静になって気付くのは難しいことですよね。
どうすれば、怒りの感情に飲み込まれないようにできるのでしょうか?

怒りから自分を引き戻す練習を

一つ試していただきたい方法が、怒りの感情と、特定の言葉やビジュアルを結び付ける練習をしておくことです。どういうことかというと、怒ったときに連想する「合言葉」や「モノ」を決めておき、怒りを感じた時にそれを思い出せるように脳に叩き込むのです。なかなか難しく聞こえるかもしれませんが、具体的な例を見て行きましょう。

アンガーマネジメント-怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラしたときの対処法-yumiid.com

例えば、合言葉は「トマト」にしましょう。

怒っている感情を、ありありと頭に思い浮かべます。嫌な奴にうざいことを言われた時のことや、不快なことをされたことを思い出しましょう。

そして、「トマト」という言葉を頭の中でリピートします。併せてトマトのビジュアルを思い浮かべます。

こうすることで、実際に怒ったときに、トマトが頭に浮かび、「あ、自分怒っているな」という事実に引き戻してくれます。

トマトのような美味しいものにすると、トマトが嫌いになってしまいそうですね(笑)。
「坂から転げ落ちるパンダ」とか「こんにゃくにビンタされる自分」とかお笑いの一シーンとか、思わずふっと笑ってしまいそうなもの、ふにゃっと腰が砕けそうなものがおすすめです。

最初は難しいですが、脳は意外と単純なので、繰り返し練習することでこのプロセスを「自動化」することができますよ。

2.深呼吸する

「あ、自分怒ってるな」と気付けたら、深呼吸をしましょう。怒っている時は、知らないうちに息が浅くなり、前頭前野に酸素が行き届きにくくなります。そうすると冷静な判断ができなくなり、取り返しのつかないことを言ったりやったりしてしまうのです。

なので、まずは目を閉じて10回深呼吸をしましょう。

3.水を飲む

深呼吸をしたら、コップ1杯の水を飲んで、すっきりしましょう。

怒ると何かを食べたくなることがありますが、まず水を飲んであげると食べたい気持ちが落ち着くものです。

4.他のことをする

問題から目をそらす-怒りの感情はどうコントロールしたらいい?イライラしたときの対処法-yumiid.com

問題からとにかく注意をそらしましょう。

赤ちゃんは泣きわめいても、面白いおもちゃを与えたりすると瞬時に泣き止んで、次の瞬間には笑っていることがありますよね。これです!

大人になると左脳が発達しすぎて、ついつい理性的に考えてしまい、問題にばかりフォーカスしがちです。

瞬時に集中力を要する何かをして、没頭してみましょう。

あなたが没頭できることは何ですか?

例えば、
・排水口の掃除
・楽器を弾く
・ダッシュする
・踊る
・歌う
・お笑いを見る

私の場合、体を動かすことが一番気晴らしになると感じます。
仕事でカーっとなってしまった時、よくジムに行ってHIIT(高強度インターバルトレーニング)をしていました。30秒間ダッシュして、1分歩いて、を繰り返すアレです(笑)。その問題について考えることよりも、酸素を体に送って生き延びることに集中しなければならないので、その後気持ちがスッキリします。

自分の没頭できることをリストアップして、怒りを感じた時にそちらに取り組めるように、「自動化」してみてくださいね!

くれぐれも食に走らないように!エモーショナル・イーティングの危険性

怒った時に何かを食べたくなる時がありませんか。私はあります・・・ついついダークチョコレートを食べたくなるのです。または、甘いもの。

これは脳の一種のサバイバルメカニズムです。怒ると偏桃体に血流が集中し、アドレナリンやコルチゾールが血糖値を上げます。体内に貯蓄されていたブドウ糖が血流に乗って使われてしまうので、体は砂糖など、すぐに体内でブドウ糖に変わるエネルギーを欲するのです

でもこれは、エモーショナル・イーティング(Emotional Eating)といって、感情に任せて食べてしまうこと。エスカレートすると、過食症につながります。海外では、エモーショナル・イーティングは摂食障害の一種ととらえられています。

食べ物は、体に栄養やエネルギーを与えるために必要なものであって、感情処理に使うべきではないのです。

こう書いている私も、実はエモーショナル・イーティングの問題を抱えています。イライラしたり何か行き詰ると、お腹がすいてもいないのに、食べたくなるのです。

だからこそ、食べる以外の健康的な方法で、怒りを発散させる方法を身に着けようと、練習しています(そもそも怒らなくなるような人間に成長したいですが・・・)。

これを読んでいるあなたも、同じ問題があるのであれば、この対処法が一助になることを願っています!

 

ではでは、怒りをうまく処理して、もっともっと健康に!

 

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